千葉、鴨川辺りにおりました。
仕事の用事を済ませての帰り道です。ローカル鉄道の古い駅舎なんかの写真も撮れたし(これは趣味)、満足いく2日間。そしてちょいと小腹も空くが中途半端な16時。
市原界隈のの大多喜街道なんてところを走っているとチェーンの飯屋もなく、かといってコンビニではどうも収まらない。そんな気分の時があります。
意外と困るんだよね、ちょいと都心を離れてのディナータイム前。どうするかなあ。
カレーですよ。
そんなタイミングで通りかかったのがここ。
看板に大きく「スパイシーカレー」と書いてあるのが目に飛び込みました。おや、無水鍋で作ったとも表記がある。へぇ、ちょっと面白そうだぞ。
通り過ぎたんですが、どうしようかなって迷って、でも行こう!とクルマを一度路肩に寄せてから、Uターン。
引き返して入ってみることにしました。
「Cafe スクラム」
という名前。
建物は千葉の街道沿いによくある感じのお店商売するので建てたという感じの三角屋根の意匠のすこし古いもの。それを上手にリノベーションしてあります。
木材を多用した洒落た入り口。その脇には気持ちの良さそうなウッドデッキとテーブルもありました。
店に入ると感じのいいマスターが出迎えてくれました。
それでね、席について驚いた。カッコいいのですよ、内装も。センスがよく男っぽい。
うーんとこれは、、そうだ、おじさんの秘密基地的な感覚か。それか。これはちょいといいぞたまらないぞ。
おっとっと、インテリアに感心していないで頼まねばね。メニューを見ると、おや!このお店の内外装が何なのか、ヒントが書いてあるじゃない。読みたいのをぐっと我慢して、まずは注文。
「スパイスカレー 大盛り」
それにアイスコーヒーも追加してみることにしました。
さて、楽しみだったメニューに書いてあるこの店のこと。
読んでみるとこのインテリアとエクステリアの素材は廃棄にされるパレット。おお、平パレットなのかこれ。
フォークリフトで荷物を持ち上げる時に下に敷いてあるあれ。輸入の梱包の下に敷いてあるごっつい木でできたあれ。アレのことだね。
今はプラスティック製のものも増えましたが、パレットが素材に使われているのか。
解体してカット、オイルステンやペイントなどリメイクされ、ガーデニングポットやテーブル、イスなどに転生させているらしいです。
この内装、全部マスターの手になるものなのか。すごいねえ。なんと楽しいことでしょう。
店頭にはウッドデッキがあってそこに置いてあるイス、テーブル、プランター、棚やラティスやウッドデッキ自体がすべてパレットが生まれ変わった物みたいです。これはすごいねえ。
そんなご店主が作るカレー。すごくうまいんですよ。
丁寧に丁寧に作った日本のカレーライススタイルの、正義あふれるひと皿で、とても好みです。
とろみは粉に頼らずタマネギや野菜で出してあって、必要なスパイスと必要な辛さと必要なカレーライスらしさがきちんと入っています。ああ、この嬉しさ。
油はあまり多くないのではなかろうか。いいねえ、それ。50男には福音です。
ニンジンが思った通りの甘さと思った通りの柔らかさで嬉しさに泣きたくなる気分。おいしいなあ。
厨房の方から小さな音で松田聖子がかかっているのが聴こえてきて、ちょっと幸せな気持ちになります。気がつけばそれが佐野元春になっていて。
この場所でこのチョイスはなんだかとてもいいねえ。
窓の外には田舎の舗装がない道に田んぼの青々した稲の列。奥には竹林が見えて、日本の里山かくあるべしという風情。最高に快適です。
マスターにお話をうかがったら、どうやらパレットのリサイクルインテリア制作がメインのお仕事のようで、それを見てもらうためにカフェを運営してらっしゃるということ。
なるほどなるほど。それで納得。
この場所はちょいといきづらい場所、でも店前や隣の工房なんかの前もロードサイドだけど広くとってあるんだねえ。
メニューにもなぜパレットのリサイクルをしているのか、どんな手間がかかるのか、なんてことが書いてあり、じっくり読みました。
ベランダが広かったらテーブルとイス買うんだけどなあ。
昼間の時間に合うことが少ない千葉方面のこの場所あたりの用事だけど、なんとしてもまた営業時間に合わせてここに戻ってきたいです。
インテリアもやっていることもカレーの味も。すごく好きな感じのお店です。