わたしのホームページに試食の案件、というかお願いが来ました。よくこういうのあります。本来はHP経由だと有料なのですが(笑)Facebookを眺めているとはんつ遠藤さんが受け取ってレビューをしてらっしゃった。うむ、これを信頼して受けることにしましょう。どんなのがくるのかな。
カレーですよ。
マネージャーから連絡が来てそんな話がきたよ、どうします?と聞かれたのではんつさんの件があったので受けましょう、と答えました。
神田岩本町のスタジオ「デジタルキッチン 」に届いたこれ。「贅沢カレー便」というものらしく、コロナ禍に対応した家庭内で過ごす時間増の中、そこにすこし贅沢な製品を届けて、と言うコンセプトなのだそう。うん、そういう感じが最近多いものね。プロジェクト名は「ZEITAG」。その第一弾商品がカレーとなったそうです。
製品開発のお店選びが興味深いんですよ。マネージャーから連絡は受けたのですが細かい予備知識なしだったのでおもしろかった。
どうやらカレー専門店は意識的に外しているようで、普段カレーをメインでやっていない大阪の有名レストランをカレーというお題でくくっての開発の様子。なるほどねえ。そこらへんのストーリが購入者に見えるともっと面白いなあ。
まずは大阪福島のイタリアンレストラン、
「ラ・ルッチョラ」の「とろり濃厚な近江牛カレー」
を食べてみることにしました。
鈴木浩治シェフのお店はメニューがないイタリアンレストランとしても有名です。テレビなんかにも料理関係でよく出ていらっしゃる方です。
さて、これが結論から言いますけどえらくうまかった。驚いた。すごくおいしいです。
近江牛パワーとも言えるような肉の旨味がグイグイと押し寄せる感じの煮込み料理に仕上がっていました。
食べてすぐわかるこのお味、こりゃあすごみのあるお肉が入っていな!とすぐ気がつきます。近江牛のいい部位が多くなく少なくもなく、後ろ髪引かれる別れ難さを感じるという実に絶妙な良い分量が入っています。
近江牛、舌触りが官能的で柔らか、舌にまとわりつくような感覚をおぼえるのが圧巻です。舌で撫でると舌の通りの形にスーッと寄り添ってきてそのまま圧力なしで消えてゆくようなお肉。そしてその脂がまたうまい。ものすごくうまい。甘く、いやらしく、おいしいんです。これはたまらないなあ。
そんな深いコクに隠し味としてチョコレートを加えてあるそうで、なるほどこの甘味、風味はそこからか、とうなずけます。
正しく欧風カレーの方を向いており、しかしこんなレベルのカレー専門店の欧風カレーはそう多くないはずだということにも気付かされます。
専門店ではない店からのアプローチというのは時にこういう奇跡的なものを生み出すのだなあ、と感慨深く思いました。
全体としてはほぼ極上のシチューという仕上がり。なのになぜかどこかカレーと受けとれる、ギリギリのラインを狙った感があり、それがとてもおもしろいんですよ。
タマネギの扱いが素晴らしいのとやはり肉の質、そこがこのカレーのキャラクター。それと、やはり調理技術かな。それら一体になってこのすごいものが出来上がるのでしょう。
付け合わせでフライドガーリック、プチトマト、生黒胡椒を用意してみたんです。どれも強い味のものなんですけどね、これがどれを合わせてもそれらの強さをいなして自分の味の方に取り込んで美味しくする、そんな底力をもっていました。驚いた。味や世界観が崩れないのは大したもの。凄みさえ感じます。
冷凍だとコンパクトにまとまっており、だからはじめに「本当に1人前あるのかな」なんて疑っちゃったんですが、解凍してお皿に広げると十分以上のボリューム。それ以上に味の力が強く大きく、追加ごはんが欲しくなるくらいです。
これはまいったねえ。
食べる価値と言うものが強くある逸品と感じました。次の味が楽しみです。
ZEITAG
https://zeitag.shop-pro.jp/