なぜなんだ、はいつも通り。なぜなんだか茨城結城市鹿窪なんてところにいるわけであります。
安定のおひとりさまであります。
カレーですよ。
なんと説明すればいいかしら。栃木県と茨城県の境目、栃木県小山市の小山駅は宇都宮線、東北、秋田新幹線も通る駅です。
地図で言うとそこから水戸へ向かう水戸線で少し右、水戸のほうにずれたあたりにある茨城県結城市。近くを流れる鬼怒川を遡れば宇都宮、日光。そんな場所にたまたまやってきて、途方に暮れていました。
実は目的地があったんですよね。Googleマップで見たんですけど、インドレストランらしき店の店頭にどうにもいい感じの顔ハメ看板があるんですよ。写真、見てください。
どうしてもね、この顔ハメ看板で写真を撮りたくなってそのレストランに向かったんです。その名も「ガガン」(笑)
まあガガンはバンコクに限るわけですが、とにかくいろいろ突っ込みどころがたくさんあって楽しいわけです。とにかく顔ハメ看板!と思って辿り着いてみると。
うむむ、なんか、きれいにになってるぞ。建て替えされてるぞこれ。
モダンでカッコよくなってます。それはいい。それは素晴らしいんだけど、肝心の顔ハメ看板がないじゃんさ。うーん、、、しかも21時、店が閉まっているし。これは困った、八方塞がりです。
そんなこんなで困ったんですが、なぜだか100メートル離れずにネパール料理の店がある。あかりもついている。こりゃあ渡りに船だ。しかも同じ敷地内にほら、上の写真。マーケットまであるじゃない。
そうやって辿り着いたのが、
「ヒマラヤンアジアンダイニング&バー」
でした。
この地域でこの時間でやっててくれるインドレストラン、ありがたい。しかも広い駐車場の端には離れという風情で「ヒマラヤンマート(ハラル)」というマーケットの建物まであるじゃないですか。
これはもう「ガガン」よりもこっちに入るのが正解だよね。
さて、和食屋の居抜き感が残る店内はうまくこなれていていい雰囲気です。小あがりがあってリラックス、は居抜きインドネパールレストランでは定番ですな。エントランスに謎のショーケースがあってグラスなどが100円とかで売っているのがおもしろい、よくわからない、いい感じです。店内は柔らかな照明とタルチョで飾られて雰囲気を出していて居心地いいですよ。
さて、メニューを眺めるんですがが、これがなかなかおもしろい。
北インド的料理が並び、だよねえとおもってるとその中にそっとネパール料理も見受けられます。そして鶏のカシューナッツ炒め、これは中華かしら。チャイニーズインディアンかもしれないな。
チーズキーマポテトフライは創作だよね、きっと。持ち帰ってもよさそうな美味しそうなメニューです。
中島さんのチーズボールってなんだ?これなんなんだ?ものすごく気になります。ビリヤニ、タコライス、ナシゴレン、ガパオライスといろいろ幅があるのににやりとさせられます。
そしてその中に突然「ブテコバッド」なんてのが現れる。驚く。で、頼む。
きょうのチョイス、
「ブテコバッド と 野菜カレー」
としてみました。
おもしろいねえ。今晩のディナーは。メニュー選びだけでおおいに刺激されます。
興味深いメニュー名「ブテコバッド」はブテコ(炒める)パート(ごはん)ということかしらね。
つまりネパーリープラオなのでありましょう。フライドライス、ピラフのことだね。なんでこの名前でメニュに乗ることになったのかなあ。
ピラフはピラウでありプラオでありポロでもあるわけです。ネパールの炒めるという単語とごはんという単語。それにインドのフライドライスがプラオという名だと知っていると、これは楽しくなってきます。
そのプラオはカスピ海沿岸あたりに行くとポロになったりトルコに行くとピラウになったり。そのピラウは急に飛んでタンザニアにも名物料理としてあったりと、そんなことを知って食べるととにかく楽しいんだよね。
料理だごはんだのルーツや伝播の足跡なんてのは調べていくと本当に楽しいものです。
当の「ブテコバッド」は、まずこの名前でメニューに載るのが珍しいと感じます。
メニューを見るとガパオライスもナシゴレンもあって。メインの料理はパンジャーブ料理を源とする日本の北インド料理のラインナップだねこれは。とくれば、素直にプラオでもよいはずなのだけど。
しかしながらモモやセクワはそのままのネパール語表記になっていて面白いんです。その中にこれ、ブテコバッドが入るのだろうね。とにかくそういう想像と分析が楽しいメニューでした。
ネパール料理店のメニューはとにかく面白く進化しています。店に入ったら端から端まで、壁の短冊まで見たほうがいい。
さて「ブテコバッド」これ、おいしいよ。
あまり強くスパイスを使わずにほんのり香らせて、あとは塩で決めてある感じです。シンプルだけどこういうのはいいな。なんとなく、すごく細かいみじんでソーセージ的なものが入っているのもいいし。ちょいと油多めだけど不思議とそれがいいなと感じます。
野菜カレーはメニューにはドライタイプと表記されていたのでジャルフレージかサブジあたりをを想像してたんですが、グレイヴィーたっぷり、インネパ野菜カレーがやってきました。うん、まったく問題ない。
好みだし美味しいし、これでいいです。日本人は汁カレーが好きなので、これでいい。
そういうのがこの地での進化の果てなんじゃないか、とか思ったりします。
ホールのにいさんが「サービスデス」とアイスチャイを出してくれました。うれしいな。所在なく夜遅くに不案内な場所を彷徨った果てで優しくされると俄然その店と人が好きになってしまうねえ。
ホールでは3歳くらいかなあ、かわいらしいネパーリーの男の子がトコトコと歩き回って歌ってみたり何か呟いたりで楽しそうだった。
うっかりゆっくり食事をしていたら、マーケットは閉まってしまったのはちょいと残念。
次回に楽しみをとっておくとしましょうか。