はんつ遠藤さんが受け取ってレビューをしてらっしゃったちょっと面白いカレーの冷凍セット。わたしのところにもやってきました。
カレーですよ。
「贅沢カレー便」はコロナ禍の中、出かけず過ごす日々の中でそこに食の変化をもたらすすこし贅沢な宅配食品。プロジェクト名は「ZEITAG」といいます。
第一弾商品はカレー。大阪のカレー専門店ではない有名店が集まってのカレー括りの冷凍製品です。今日はどれを食べようかな。よし、では、
「焼鳥 市松 比内地鶏のシビ辛カレー」
としてみましょうか。
もう手慣れたもので、ごはんを用意しつつ鍋にお湯を沸かしてそこに冷凍パックを放り込むだけ。たちまちおいしいカレー、出来上がりです。手軽だねえ。
さて、温まったパックの封を切ると、鶏の香りが強く上がり期待感が高まります。
ごはんにかけて、ちょっとだけ副菜を配して色気を出して。
食べるとね、メニュータイトルでわかっていながらも印象と違う感がありました。それはつまり、鶏がはじめににおいでやってきて、焼き鳥市松の名前もあるのでなんとなく和風かな、と思いこんで食べるととトマトと痺れがグッと来て驚く感じ。これ、おもしろいです。
そして比内地鶏、これは伊達ではないものです。噛みごたえ、味わい、香り、どこをとっても手応え残る素晴らしいお味。うわあ、こういう味の鶏が入るカレーはなかなかないだろうなあ。
痺れと辛さ、それと酸味が前に出て鶏の出汁の旨味がちょっとスポイルされているという感じもあったんですが具材の鶏でその分取り戻す(駄洒落ではない)というやり方でバランスしています。ああ、なるほどなあ、これが設計というわけだねえ。
口にはキツくないが汗をかかされる辛さで心地よいですね。決していきすぎてはいないちょうど欲しい辛さがあってよいです。食べ進め、温度が下がってくるとひと塊として感じていた洋風の印象がカレーソースの中の鶏の旨味が立ってきて収まってくるのもいい感じです。
カレーソースにきちんと個性があるのが当たり前かもしれませんが、素晴らしい。それを比内地鶏の力が押し戻して私が主役だよ、と主張する感じ。このせめぎあいが楽しいカレーでした。
カレーライス的ではなくてトマトが洋風のキメ味を感じさせるのですが具材の鶏の旨味の強さと山椒、一味といった和のスパイスの部分が拮抗するバランス。これは大変面白く良いと感じます。
食べ終わると辛さと和山椒の穏やかな痺れを抑え込んで比内地鶏の旨味が口中に残るのが幸せです。
カレーとして生まれ、カレーとして食べられて、その後に食べた人に「このお店の焼き鳥を食べてみたい」と思わせる魅力があるカレーです。
すごいな、これ。