カレーですよ4481(レトルト 一条もんこ監修 スパイシーバターチキンカレー )デカ箱、デカ肉に驚愕。

このあいだ、秋葉原のアトレの中にある成城石井は穴場だよ、と書きました。なんなのかと言えば、もちろんカレーのこと。カレーの穴場なのだよ、成城石井。

 

 

カレーですよ。

 

 

このあいだはよいカレーのお弁当があってそれを買ったんですよ。えらく上出来のひと皿でパラックチキンでした。すごいなあ、スーパーマーケットのお弁当でパラックチキンを売ってるとか。なんて時代だ。

そのときに当然ながらレトルトカレー のコーナーも確認するわけですがここでも良いものを購入できたのですよ。アキノ・リーさんの「功夫咖喱」と一条もんこちゃんの「スパイシーバターチキンカレー 」。リーさんのは以前食べて大変な完成度と個性でお気に入り。タイミングが合えばストック、というふうにしています。あれはもうそんたくとかでなくおいしいから買っておく。これですわ。

さて、もうひとつのほう。一条もんこちゃんの「スパイシーバターチキンカレー 」を食べてみることにしました。みることにしたんだけどね、わたしは身長が180センチあるんだけどね、そのわたしの背中に2メートル以上の影を感じるのよ。いや、一条もんこちゃんは小柄でかわいいんですけど。なのに2メートル以上の影を感じてしまう。

 

「スパイシーバターチキンカレー 」

 

はそういうカレーなのですよ。なんかね、The Imperial March (Darth Vader’s Theme)、聴こえてくる。ちょっとマンダロリアンのお仕事してるのでそういう妄想。お前はなんの話をしているのだ、と言われそうですけどそう感じるのだから仕方がない。

えーと、箱がでかい。

なんだこれは、と初めに思います。まずね、自慢のカレー本棚に入らない。まったくこれは困る。次に思ったのが棚割り、フェース取りが大変だったろうなあ、36チャンバーズオブスパイスのお二人、とか思ったの。

明らかに大きいです。縦横高さ、ともに普通のレトルトカレーのパッケージの1.3倍程あるでしょう。1.3倍というと大したことないと思う貴兄もおられましょうがその存在感でいったら3倍とも言い換えられるくらいのイメージ。それくらいの感覚で想像して欲しいんです。

こういうサイズのものはスーパーマーケットにおいて若干不利。なにしろ棚割り、棚における商品数は決まっています。そこを各メーカーや問屋の営業マンが取り合うという構造だからね。1社だけ異形のパッケージや(以前あったアライドさんのタイの食卓シリーズでパッケージが三角屋根、5角形のやつとかあったけど営業さんデザイン上がってきたときヒヤヒヤしたんじゃないかなあ)サイズ違いになると、棚割りの数が変わってきてしまうわけです。サイズが範囲を超えて大きいのがくれば1銘柄分がその棚から締め出されるわけで、死活問題なんであります。えらいことだ。

まあとはいえ話を戻します。

箱を開けるとああ、なるほど。これじゃあ仕方がない。箱を大きくせざるを得ない。当たり前の箱形パッケージ入りレトルトカレー では見かけない、マチ付きのレトルトパウチパックが出てきました。マチがあるから自立する、あれです。そして、重たい。またなんだこれは、と同じことを思うわけです。

それはさておき、このカレー。驚きの連続で仕掛けた連中の笑い顔が見えてくるような製品なんですよ。規格外は、楽しい。

温めて皿に出してみましょう。封を切ってソースをあらかた皿に移したところで何か巨大なものが滑り出てカレーソースにじゃぼん!と飛び込んだんですよ。ああ〜!カレーソースが跳ね、皿の淵までカレーの津波ががじゃばっとかかり、大惨事。撮影の途中になんだよ!皿拭かなくちゃ、とかぷりぷりしながらみてみれば、それ、お肉だった。おいおい、このサイズ。掌に2個乗るか乗らないかだよこれ。大体レトルトカレー の肉の話で掌に乗る乗らないの話をしていること自体がおかしい。そうでしょ?そういう肉がどすんと袋から出てきたんですよ。

いやしかしこの肉、ただごとではないよ。

ただ大きいだけではまったくないのです。

ちゃんとうまい、きちんとよい食感を残している、肉の味わいが残っている、と三拍子。きちんと肉を楽しむという部分が大きくフィーチャーされているわけですね。これ、骨つき肉です。骨部分をするりと抜き取れば軟骨が残ります。この軟骨がまたいい具合の柔らかさ、食感になっていて印象に残ります。

しかしどうにもちゃんとうまいなあ。こういうサイズの大きな肉はサイズばかり取り沙汰されて、味が全部抜けてしまったり硬かったりすることも多い危険なブツなのよね。レトルトの巨大肉は難しいと思います。そういうなか、これはそいつをやすやすとクリアして存在感を見せつけます。

カレーソースは辛口なんです。ほおほお、と感心。バターチキンという名前で想像するアレとはちょっと違います。いい方向に違うんです。口当たりで言えば甘いソースをベースにしていてバターの香りとコクがきちんと伝わってくる真面目なもの。しかし、それを辛口に仕上げてあるわけです。あえての例えなんですが、チキンマサラとバターチキン の中間にある味、とでも例えられるかもしれません。

はじめにカルダモンがばっと広がる感じでその場を支配し、遅れてクローブが並走してきます。肉の大きさと美味しさにまったく負けていないカレーソースの個性があるねえ。辛さにちょっと驚いたのですがこれがクセになる味わいで、肉の旨さと相まってなかなか止められない。いいじゃない。

温度帯が変わり、冷めてくるとトマトが立ってくる感じがあります。それとリンクする感じで付け合わせにプチトマトは効果的でしたよ。フレッシュのトマトを入れるのはこのカレーによく合うアレンジ、やってみてください。

量がとても多く、2人前といってもいい量だと感じますが、この日は食べ切ってしまいました。

改めてパッケージをしげしげと眺めれば、「1人前260g」とあって驚きました。いやいやいや。

よく売っている普通のレトルトカレーが大体160〜180g、つまり1.5人前ということ。味の強さと具材の充実を考えればゆうに2人前あるという計算になりますね。

ヨーグルトの用意はあるとなおいいと思います。大変うまくバランスしてカレーの辛さを抑えてくれますので。酸味も加わって辛いものが苦手な人にも楽しさが広がると思います。これも試してみてね。

 

「辛いバターチキン」というのが小さなトレンドだと考えているんですが、それを体現した感のある面白いひと皿でありました。

これは上出来。試してみるといいよ。