見ないふりをして過ごしていたんですよね、お弁当。ところがこういうの、何かの拍子にうっかり、ということがあります。どんな事象でもそういうのはある。
カレーですよ。
それが、わたしにとってのカレーのお弁当。その店のカレーライスは持ち帰りはずっとやっていませんでした。折りからの新型コロナウィルス蔓延によって思いもよらない店がどんどんお弁当や冷凍カレーなどを作って販売を始めています。ながら、変わったよな、確実に。
いろいろ想いもあって持ち帰りではその良さの120%を受け取ることが難しい、そう考えており買うことを躊躇していたお店があります。うっかり、買っちゃった。魔がさすとはこのことだ。幡ヶ谷の、
「スパイス」
のカレーのお弁当。
新型コロナウィルス、落ち着いてきたと言われながら6波は必至という話も出ます。やっぱり冷凍、弁当の活用がどのお店でも行われている。ニーズも大きいですからね。思いもよらぬ店、たとえばあのナイルレストラン、スパイスカフェまでもがお弁当の販売をしているわけですよ。業界激震という店がそういうのやってる。
食べあるきままならぬ中、気持ちを助けられる方も多かろうね。わたしもそうです。
さて、幡ヶ谷のレジェンド「スパイス」のカレー(お弁当)。もちろんチョイスは不動の「ポークチキン」だよなあ。お部屋に持ち帰り、ふたを開けると驚くほど満タンに入った白メシとおなじくたっぷりのカレー。そうか、そうなのか。同じなのか。まったくもう、うれしいなあ。お店と同じなんだよ。精一杯の愛情がその量という見える形でやってくるんです。これはもう、完全にお店と同じ体験だ。店主の、にいさんの、お母さんの顔が見えるようです。これすごいことだよ。
温めて食べるそばから冷めて固まるこの感じはやはり店外だからかね。ごはんの熱々加減もちゃんと踏襲したつもりなんですが、まだ足りないみたい。そして直接その熱々のごはんにカレーソースをかけてしまわないから固まるのだねえ。いろいろわかるねえ。
何もかもがきちんと理由を理解できるんです。
それが30年通った成果なのです。