お取り寄せのカレー、たまにすごいのがありますよね。ちょっと驚かされるホテルやお店なんかのオリジナルで、これは!と驚かされるやつ。
そういうのに出会いました。
カレーですよ。
レトルトカレーという名前を使うのが憚られるんですよ。というよりは、そういうことは、製法やパッケージはあんまり関係ない。それは単なる方程式であってそれをいうのは意味がないやつです。
実はこのカレー、存在は知っていたんですよね。有名みたいでよく取り上げられます。
お店のオリジナルで、そのお店は岩手宮古市の国道45号線に面した場所にあるようで、何かの折に一度行ってみたいと思っています。
パッケージの製造者欄に「特定非営利活動法人 イーハトーブとりもと」と書いてあります。どうやら一般企業などでの就労が難しい方の就労環境を作るという目的もあっての事業所のようで、なるほどきちんと価値のある取り組みを行なっていらっしゃるんです。応援したいよね、こういうの。とはいえ美味しいものでないと、生き残れないのが食品業界の厳しさです。そういう中で長く販売されていると記憶しているこれは期待ができるなあ。
さて、お取り寄せとして「文春マルシェ」からやってきた2種のカレー。
「咖喱亭ビーフカレー中辛」
「咖喱亭チキンカリー辛口」
の2種類。お気付きかな。タイプミスじゃないよ。
ビーフカレーは「カレー」とあり、チキンカレーは「カリー」の表記で書き分けられているんです。このこだわり、これはおもしろそうだぞ。さて、食べましょう。
ビーフカレー中辛、これ、お肉が大きい。
封を切ってお皿にどさりと出てきた岩手県産の和牛、お肉の大きさに動揺します。たくさんっていうのは嬉しさ大きいんですが、たくさんじゃなくて「でかい」というのはなんかたくさんを越える価値があると思いません?塊りというのはどうにもたまらんものがあります。
カレーソースはタマネギのふくよかさを果物や牛乳が後押しする感じのコク深く完成度が高いもので、大きなお肉をちゃんと生かしてくれています。これはすごい、これはいい。欧風寄りにしてあるけど小麦粉のとろみは控えめでいいですね。
チキンカリー辛口、これも肉が大きいねえ。
同じく岩手県産の骨つき鶏もも肉まるまる1本。このすごいのも味わい強く、カレーの風味に負けずで素晴らしいものです。
カレーの味がよく染み込んでいるのに鶏肉の風味が強く主張して来て感心しました。
カレーソースはトマト風味で酸味とチリペッパーがちゃんと重層を成していて楽しいなあ、真面目に作っているなあ、と感心。多いけどお腹にキツくならないのが美点です。油できついという感じにはならず。いいねそういう感じ。
どちらもけっこうなボリュームがあって一人では多いかなあ、と思うたっぷり感を堪能できました。
そうそう、ビーフカレーは「カレー」、チキンカレーは「カリー」の表記の話し、忘れてました。
これ、多分強いこだわりをもって作られているんです。箱の裏の原材料名を読むと伝わって来ます。
ビーフカレーとチキンカリーの材料の大きな違いを着目。ビーフカレーに入っている小麦粉がチキンカリーに入らないところ。つまりビーフカレーは「日本のカレーライス」として作られているということ。小麦粉とカレー粉を鍋で炒める所から始める、むかしの固形ルウ以前の頃のレシピですね。チキンカリーは小麦粉が入りません。インド料理の手法を使っているからでしょう。油を敷いた鍋で玉ねぎを炒め、トマトとスパイスを加えて、というやり方。だからこその「カレーとカリー」なのだねえ。絶対そう。
こういうことに気がつくと、ほら、お店に行きたくなるよね。このカレーのことを色々お店の人に聞いてみたいです。
障がい者支援という社会的意義と、きちんとした美味しさ。そういうのを知って、こだわりの部分も知り、知って食べる面白さを教えてくれるカレーです。
やっぱりこれはおすすめだ。
**カリー亭 チキンカリーとビーフカレー
https://shop.bunshun.jp/store/ProductDetail.aspx?pcd=BM02602