デリー上野店の曜日替わりのスペシャルメニューはどれも魅力的なんです。皆さんもちろんご存知だよね。
カレーですよ。
月曜日と火曜日の牛ほほ肉を使ったカシミールカレーとコルマカレーはデリーのファンなら言わずとも想像に想像に難くないあの素晴らしい味と牛ほほ肉の出会いがあるわけです。書いてるだけで口ん中がカシミールとコルマになってくるなあ。
水曜日のタンドーリチキンドライカレーはわたしの大好物。これをビールでやっつける快感はなかなか他のものに代え難いもんがあるのです。
週末金曜日は頻繁に入れ替わります。このときはイカスミカレー だったかな。
「デリー」
でイカスミカレーというのは興味深いよねえ。おもしろいねえ。
月火水のスペシャルは鉄板・定番で、木金が順次入れ替わるイメージだと思っています。
それでね。
さてこの日は木曜日。この日のスペシャルである、
「チキンカラヒ」
とすることに決めました。
ちょいと舌に引っ掛かってくるのが嬉しいスパイスの香りとグレイヴィの舌触り。スパイスの香り高く、奥行き深い辛いカレーです。うーん、うまいなあ。デリーの根っこであるパキスタンというキーワードにつながるものだと感じます。
定番と同じく大きなカットのチキンとじゃがいもがごろりごろりと入っていて、期待を裏切らない満足感がありますねえ。肉もじゃがいも食べると丁寧さを感じるもので、過剰な繊細さはないですが、やっぱり手をかけたものを食べているなあ、という感が残ります。うーん、とても楽しい。とても満足。
まったく面白いのがどの料理を選んでもちゃんとデリーの味になっているということ。いや、そう、そりゃあそうだよ。だってデリーで食べてるんだから。
いやしかし、どのカレーもみんな違う方向を向いているじゃないですか。辛さも使っている材料もスパイスも皆違う構成、違うレシピで当たり前なんですが、だからこそメニューが構成できるわけです。
しかし、どれもデリーの味なのだよね。デリーの何かが、デリである何かが、DNAが決定的にその味の中にある。いったいこれはなんなのだろうなあ。
どんな歌でも別の人が歌ったらそれは別物です。しかし一人のアーティストが別の人の色々な曲を歌うとその曲たちが歌っているアーティストのものに昇華します。
きっとそういうことなのだろうね。やっぱりおもしろい。