惚れ込んだテーブルがあるのです。組み立て式の鉄テーブル。オールアイアンのすごいやつ。
いつだったかな、アウトドア関係の雑誌で見て一目惚れをしたテーブルがありました。2年くらい前かな。結構なお値段とそのカッコ良すぎる見た目にすこし気後れしてちょいと距離を置いていたんですが。
でもやっぱり欲しかった。
ブラウザでトリパスプロダクツのページをタブ固定したままにしてから、1年以上。ページ、見過ぎだよな。こんだけ迷ってずっとみてるんだから買ったほうがいいよな。
「TRIPATH PRODUCTS」
社は北海道石狩にあります。石狩という土地ならではのデザインセンスと男っぽいプロダクトをたくさん提案しています。
ヒット商品、GURU GURU FIREという組み立て式の焚き火台があるんですよ。これが実にカッコいい。鹿の角を模した引っ掛け鉤が2本、上に高く伸びていてハンガーアームになっています。ヤカンとかを吊るすわけですね。土台は同心円にカットしたリングで、とにかくどうにもイカしているんです。
大変に申し訳ない話なのですが、これの模倣品が越境ECで出ていてね、それがあまりに安くてついついひとつ購入してしまいました。2000円ほどだったな。それで、そのデザイン、設計や構造を見るにつけ尊敬の念が増し、これはいかん、偽物ではいかんと強く思いが増したのです。それで、満を辞して改めて、そしてお詫びの気持ちも込めながらの
「MOKUME TABLE」
を購入した次第。そこから、いろいろと思い知ることとなるんです。
「TRIPATH PRODUCTS」社のサイトを見てその機能と美しさに浮かれて忘れていたんですが、まずはこのテーブル、重い。重いんだよ。組み立て前の収納時の形態が薄くてとてもコンパクトなので余計に重く感じます。びっくりするほどの手応えです。
忘れていた。そりゃあ当たり前だ。物には重量というものがついて回るのです。当たり前だけどまるごと鉄でできたこれ、重たいのはそりゃあそうだ。荷物が届く日、インターホンが鳴って扉を開けると宅配のにいさんが重そうに薄い箱を両手で抱えていました。そんな感じなんだよ。
重量6.3kg。ちょっとした3〜4人用のテントの重さ、もしくはもう少し重いかも。しかもかなりコンパクト、薄く収納できるのでその落差に驚きよろめくわけです。
クルマ移動が基本のわたしのスタイルなのでまったく問題ないんですが、購入を考える諸兄にはくれぐれも頭にそのことを入れておいてほしい、切に願います。重さがあって丈夫な鉄製なので皮で専用の収納バッグでも作ってみたくなりました。
さて、重さはさておき、美しいプロダクトなのです。
分解時の収まりよさも美しいし、組み上がればなんともいえない男っぽい美しさがあるねえ。
組み立ては工具不要。コネクタ、プラグ、ネジ等別部品は一切使っておらず、構成部品を差し込んで引掛けるのみで各パーツを連結、完成できるように設計されています。これがどうにも素晴らしい。一度組み立ててその構造を理解すればまったくもって簡単なんですよ。
黒皮鉄板でできた天板には木目があしらわれています。レーザー加工で施されたこの木目が無骨なプロダクトに愛嬌を与えてくれます。これが天板の半分。
もう半分のシルバーの短冊状に配された亜鉛メッキ鋼板の天板。こちらは短冊一つずつがバラバラに扱えるので下の棚部分と合わせて用途によって組み替えられるというギミック。男心を鷲掴みにされます。
黒皮木目天板はスライドとサイドハングという使い方ができます。
スライドで使用するときは木目天板を外し、位置を横にずらして装着が可能。天板が外側に広がるイメージですね。
サイドハング使用は天板裏側にあるフレームに沿う切込みが設けてあるのでフレームに合わせて天板先端部の切れ込みを脚と連結することで安定装着が可能。天板部分が半分オープンになるのとガスコンロ等火器機材を使う時の風防にもなるようになっていました。
下段の天板、棚部分は半円パーツが2枚。これも高さと配置を自在にレイアウト可能で自由度が高いのです。2段階に段差をつけられるように工夫されておりここにガス機器など火器を設置すると上部天板と加熱する鍋やフライパンなどの高さが近くなって安定感が出て見栄えも面白い。いいなあ、ここらへんの変形ギミックがもう実にいい。
平面の鉄板をこれほど見事に立体に構成できて、しかもスタイリッシュ。
北海道石狩からやってきたというストーリーも併せてちょっと惚れ込んでしまうプロダクトなのです。