ジャンカレーが食べたい時はカレーライスが食べたい時。ジャンカレーはカレーライスらしいカレーライスが出てくるのでとてもうれしい。
カレーですよ。
そもそも自身がやりたいカレーというのが日本人が思う正しき「カレーライス」なんですよね、
「ジャンカレー」
は。
アツアツ炊き立ての白ごはんがたくさん盛ってあって、その上にドバッとカレーがかかっていて、スプーンで躊躇なくぐいぐいと口に放り込んでは喉の奥に送り込み、ちょっと辛くてでもそんなに辛くなくて、でも汗かいて。そういうカレーライス然としたカレーライスが下町の小さな小さなチェーンで30年どころではなく続いているというのはこれはもう、僥倖以外のなにものでもないといえましょう。素晴らしいことだよ。
わたしは亀戸店で高校生くらいからずっとお世話になっておりました。
カレーソースは店舗仕込みで時間をかけています。白メシも残らぬよう少なめを頻度高く炊いているそうで、わりといつでも本当に炊き立てなんだよ。そして「熱々」にもこだわっています。なんだかもういろいろ嬉しくなるじゃないですか。
ジャンカレーの味のポジションは日本のカレーの歴史の中程にあると考えています。
ニッポンのカレー、大きく分けて3段階あると考えます。
伝来してまもないころからだんだん家庭でも食べられるようになった時期の、黄色くてたぷたぷとした、カレー粉と片栗粉や小麦粉を合わせて作ったあれ。
その次に来た家庭用固形ルウの茶色くて少しモダンなやつは70年代半ば生まれ。
そしてアジアの郷土料理やカレーライスの雑多なアレンジメントなどがひとかたまりになった現在。
その中期の家庭では固形ルウで作っていた時代の味わい。たまらないやつです。
ジャンカレーはいろいろトッピングをするとちょっとなんか後悔するんだよね。外食応援を旨とするわたしの心情的には客単価を上げたいところなのですが、ことジャンカレーに関しては素のやつが好ましいと思っています。シンプルなチョイスのものがとても良いと感じるんだよね。ストレートにアツアツごはんとカレーソースを味わいたいから。
書いてるそばからまた木場まで出かけたくなってくるなあ。好きだなあ、ジャンカレー。