レトルトの、保芦宏亮さん作「チェッターヒンマイルド」何度食べてもよくできている、すごい、おいしい、と同じ感想が出るんです。すごい完成度だよね。
カレーですよ。
ミャンマー料理研究家、保芦宏亮さんの手になる製品。実は第4弾、その次も控えており今年はヒロスケさんのカレー事業の新製品ラッシュなのです。
とにかく話題にも必ずのぼり、きっちり売れているようで素晴らしい。
オリジナルは第1弾の、激辛のやつで、これがえらく辛くて、実はわたしはそれほど辛さに強いわけではないのにグイグイと進んでしまう、魔性の激辛レトルトカレーなのです。
「チェッターヒンマイルド」
はその激辛のマイルド版。激辛がスタンダードというのが面白いです。
マイルド版は口はそんなに辛くないんですが、ちゃんと汗をかかせてくれる有能なものです。
「チェッターヒン」はミャンマー料理。チキンのタマネギとトマト煮込みとも言えるもの。これを激辛に仕上げた前作のオリジナルは強烈だったねえ。辛いんだけどうまい。うまいから辛いんだけどまた食べる。するとまた口の中が辛くなる。でもうまいからまた手を出す。そんな繰り返しでたちまち皿が空になるというもので、メシ泥棒もいいところ、なんですよ。絶対に腹一杯まで食べてしまうんです。
この日はせっかくの日曜日、ちょいと都合もあって出かけられないので、いつもよりも楽しもうと考えました。お気に入りのお皿を選んで、ベランダに出てテーブルを広げてクッションを敷いて。そりゃあビールなどあけたくなるというもの。
思うにこの「チェッターヒンマイルド」。ヒロスケさんが手掛けたミャンマー料理シリーズはすべてにおいてヒロスケチューニングが施されています。当然です。料理は作る人によっていかようにも姿を変えるものです。あなたが作ればあなただけの料理が出来上がる、というわけです。
このレトルトはオリジナルのミャンマー料理、チェッターヒンを逸脱することなく、しかし自分の信じる味の調整をおこなってあり、それが功を奏して大変美味しく信頼できる味に仕上げてきてます。だからこそのこの話題性なのだろうねえ。まずは美味しくなくっちゃだもの。
パッケージを手に取るとすぐに気がつくその重さ。ズシリとくる重量感は骨つきの鳥手羽元が2本まるまる入っているところから。粘度が高くちょっとペーストに近い、まさにメシ泥棒的魔性のミャンマー煮込みです。
とにかく濃いトマトの凝縮感とめくるめく旨味でぐいぐいとメシが減ってゆきます。
ピーナツオイルの奥行きとガーリックのパンチが口の中でぐるぐる巡り幸福度が上がって行きます。
ああ、たまらない。
ミャンマーの料理、チェッターヒンでお腹を満たしたら、現在の彼の国の、1年をとうにすぎても未だ人死が出てそれが止まらない理不尽な日々が続いていることも思い出して欲しいと考えています。ウクライナだけではないのです。そのウクライナでさえ、ニュースのトップに上がりづらい、喉元過ぎれば、の我がニッポンです。
メシがうまい、で終わってはいけないと思っています。
メシは国境を越えて民族や政治を越えて人を繋いでくれるのだから、だからこそメシへの感謝とそのバックボーンのことを考えることを、わたしはやめるつもりがありません。