幡ヶ谷のスパイス。1975年からずっと続くお店です。わたしももう30年近く通っていることになるかな。食べるたびにその味にいろいろと発見が重なってくる、ちょっとしたわたしの基準値のようなカレー店なのです。
カレーですよ。
カレー以外も含めていろいろなものを食べ歩くわたしですが、それが仕事にもなっているわけです。その中で舌がいろいろな体験を蓄積して、言葉の幅が増えたり見えなかったものが見えてきたり。経験の中から歳を追うごとに表現の方法が変わったり見え方感じ方の新しい場所が見つかったりと、いろいろとても面白いんです。
それもこれもここ幡ヶ谷の
「カレーの店 スパイス」
がわたしに与えてくれたものだと思っているところがあるのです。
いろいろな体験をしてはこの店に戻ってきていつも通りの味を楽しみます。すると今まで見えていなかった事が浮かび上がってきたりするのですよ。全くもって面白い。
今まで気が付かなかった要素がいつものカレーライスの中に潜んでいることを気付かされるのです。
仕事柄、1つのお店に長く通うというのはなかなかできないままで、もどかしく思っています。これはずっとそう。その中でこのお店は私にとって特別の場所なのです。これからも新しい体験をしたり迷ったりした時は必ずここに戻ってくるでしょう。
この場所はいつでもわたしに新しい気づきを授けてくれるのです。