紅茶のおいしい喫茶店、なわけですよ。いや、それほどではないかもしれない?いうほどではないかもしれない?いやいや、そんなことないよおいしいよ。(すみません、悪口じゃなくてね、文脈として)
カレーですよ。
中学生のわたしはそこでよく紅茶を飲んでいた記憶があります。おいしかったな。初めて覚えた「喫茶店がよい」の味なのです。
むかしむかし、亀戸駅の裏から砂町方面に向かって都電が通っていた頃があります。正確には亀戸駅の北口を曲がり角としてむかしダイエーがあった(いま建て替え中。多分マンションになって下にショッピングセンターでもできるのでしょう。もうそういうのいらないんじゃないの?人口減ってるし)
あの場所にまっすぐ線路が伸びていたんだよ。その線路と、竪川に掛かる鉄橋。子供の頃のある日、ドブくさくてドロドロの竪川が埋め立てられ、線路や橋も撤去されて綺麗な緑道ができました。大きな高校も川沿いに新設されました。城東高校です。
その都電の鉄橋が解体されて、新たに人道橋もできたんです。そのたもとに時を同じくしてできたのが、
「カフェ・ド・ポコ」
だった。確かそのはずです。そんな感じだったと記憶しています。
中学生の頃だったかな、友達とずいぶん通った記憶があります。いや、中学生の小遣いでは通うというほど通ってなかったかもしれないね。それでも「飲食店に通う」という経験のスタートとなったのがここなんです。カレーやさん通いの前夜、ということになります。
なんだかんだで30年以上ぶりになっちゃったなあ。当時は食事メニューなど頼んだこともなかったんですが、メニューにカレーがあったことだけは知ってました。2種あるカレーソースから、
「インドカレー(シーフード)」
を頼んでみたよ。
そのカレー、甘くて辛くてとろんとしていて程よくスパイシーと、とてもいいんです。ああ、そうなのかこんなによかったかあ。
頻繁に前を通ってるんだけどなあ、損してたなあ。さっさと寄ればよかった。まあでも、こういう感じの体験のお店って若い頃の記憶とか匂いが残ってて気恥ずかしくていけなかったりしますよね。
この甘くて辛いという味のカレーがね、絶妙であったのです。シーフードもこのカレーソースになんだかよく合うんだよ。イカがなんだかイイカんじ、など昭和の駄洒落のひとつも口に出したくなる旨さ。
たっぷりの箸休めが嬉しいです。赤い福神漬けの隣に紅生姜というのも嬉しさ込み上げるのです。いいね、いい組み合わせ。
インドカレーの名前ですがちょいと今で言うところの辛口の欧風カレー的。
たしかにこの味、喫茶店という場所においてその輝きをますます強めるものだと感じます。
柏原芳恵ではなくアグネス・チャンの声で(そちらの方が古い)「あなたは銀のスプーンで、わたしの心をくるくるまわす。」という歌詞を思い出しました。
カレーのおいしい喫茶店、です。