蒲田とくれば「ナマラマサラ」がなまら大好きなんであります。いいんだよねえ、あの世界観と鰹節の香り、和のキメ味。
カレーですよ。
そんな自分の中の「蒲田といえば!」のお店、とはいえやっていない時間帯では致し方ない。当然インディアンもやってないし。
そうなると蒲田では一択。
23時まで営業というのは頼もしい。蒲田でおそくなったら、
「松家カレー」
へ行くべきです。この町を代表するカレー店、蒲田ソウルフードでもあるわけです(又聞き)。
もちろんご存じ、松屋じゃないよ。「松家」です。券売機で迷わぬように店前でちょっと頭を回してやって大筋決めてから店に入ります。ボタン3発!券売機で、
「チキンカツカレー 牛スジカレー変更 野菜サラダ」
としてみました。食券が3枚です。
店内、大変に好きな雰囲気なんですよね。そっけない感じの店内の壁にずらりと漫画が並ぶこの感じ。その光景にニヤニヤと相好をくずしてしまうわけです。だってこの感じ、昔のカレーハウスって気分。
全部ではないですけど昔のカレー屋はこうだったのよね。カレー専門店、レストラン、などではなくて「カレー屋さん」のことです。
漫画があってカレーをモゴモゴと食べながら漫画を読んだりするのが許されるあのゆるい雰囲気。喫茶店や洋食屋でもそういう感じのお店がたくさんあった時代がありました。学生やサラリーマン相手の商売です。そういう空気がここにはあるよねえ。なおかつそのお店が猥雑でエネルギッシュで、でも暮らしている人たちの手の中に収まるようなサイズ感の「蒲田」という町にあるのはなんだかしっくりきてて、蒲田だからこそ松家、と感じます。
さて、カレーだよ。久しぶりの揚げ物のせカレーだよ。まずはその堂々とした姿には惚れ惚れします。
カツはチキンカツが好きなんだよね。
このチキンカツ、サクサクとした衣の食感とプリッとしたチキンで実に、実に。うん、定食でメインをはれるぞこれは。良い感じだなあ。おいしいなあ。
うれしいことにカウンターには中濃トンカツソースとウスターソースが用意されています。これこれ、これですよ大事なの。なかなかに充実した調味料コーナーでね、こういうのはありがたいねえ。
わたしはカツにウスターソース。これが好きなのです。カレーの中にカツが浮かぶのはちと辛いのです。いつでもそう。できればカレーがかかっていないカツを所望しているのです。
カレーソースもいいねえ、これ、おいしいよ。牛スジカレーにカレーソースを変更しました。その価値、アリ!
なめらかな舌触りですがその中に微細な粒となって牛すじを感じる良い味わい。あまり辛くせずに食べるべき味だと思います。これは好みのやつだ。
それでね、野菜サラダが100円。ああ〜こんな無理しちゃダメだよ!と嘆きたくなるほどたっぷり入った野菜。倍取るべきところだと思います。きっと学生さんに向けて「野菜を摂れよ」というメッセージだと思うんだよ。あと、一人暮らしのサラリーマン諸氏とかに。野菜、摂りなさいよ。
なんというのかしら、店主の顔さえ見ていないんですが、じわじわと想いが、愛が伝わる感じ。
ちょっとこう、腹だけじゃなくて胸もあったかくなってお店を出ました。
並びの風俗のおねえちゃんたちは行きは呼び込もうと声をかけてきましたが、松家から出てきたわたしには声をかけてきません。
うんうん、好きだな、この感じ。