友人がパッケージデザインなどをやっているレトルトカレーが届いたのです。なんだかんだでどこかから毎週届くレトルトカレー。食べて感想ちょうだいね、ということなんですが、胃袋いっこだから大変なんだぞ。
カレーですよ。
そう言いながらも届けばうれしいレトルトカレー。それも、知ってる顔が作ってるものや一緒に仕事をした仲間から、なんてのは特別うれしいわけです。
これは山口県からやってきたやつ。
ボックスではなくペーパーパッケージで開くと説明が出てくるの、いいですね。パッケージにはかわいい感じのイラストレーション。着物姿の蓮子さん、いいな。
「蓮子さんの岩国蓮根和風カレー」
は、山口岩国の池本食品が作ったカレー。蓮根の産地として知られる山口県岩国の岩国れんこんを使用。いいねえと思ったのは無理やり地元のものだけを使わずに、九州から干ししいたけ、北海道道南から昆布、地元山口の長州どりをと各地から良い素材を選んで完成させているんですよね。こういうのは好ましい。
地元地元、というのじゃなくてちゃんと美味しいものを作る。そこに地元の食材もフィーチャーする。ちゃんと食べる人の方に顔が向いていることに好感が持てるのです。
さてカレー。
ぽったりした粘度の高いカレーソースです。
出汁がかなり強く感じるなあ。ひと口目から出汁の個性がどんときて、これだけでわかりやすくニッポンのカレーライスだよねえ、と理解できる味です。食べている時の感覚はほぼ煮物というか、煮くずした肉ジャガなどにも似る感があって面白いです。
蓮根、きちんとぽくぽくする食感が残されていて、秀逸。輪切りのものが2枚と、それ以外にも大きめみじんにしたものが入って良いアクセントです。鶏もほどよくほぐれたものが混じり、ちゃんと風味が生かされています。岩国の蓮根ってほかの蓮根と穴の数が違うんだって。へえ、おもしろい。
タマネギの甘みはあまり前に出さず、あくまで塩味と強い出汁の旨味で決める感じ。
そうだなあ、たとえるならおばあちゃんのうちに行った時にに子供たちのために出してくれるカレー、といった風情かしら。こういう感じ、なかなか好ましいです。かなり強く和風と出汁とを打ち出していますね。かといってマイルド一辺倒ではなく食べ終わると少し喉がひりりとするカレーらしさもちゃんとあります。
最近の流行りの味では決してないんですが、こういうカウンターがないと世の中のカレーライスのバランスが取れない。
新潟のバスセンターカレーにもニュアンスが似てるかもしれません。味ではなくニュアンスね。
こういうの、良いと思う。