この日は大変だったんであるよ。熱海の朝なんであるよ。
カレーですよ。
ワーケーションで出かけてきた熱海。まず、朝のスケジュールぜんぶ間違えていたんです。いてて、、
確認などしていたはずなんですがちょいと脳みそが疲れていたのか、凡ミス。
スケジュール表を読み間違えてチェックアウトの11時まで何もなしの予定(これが正解)を7時10分カンファレンスルーム集合と思い込んで6時起き。行ってみればおやおや、誰もいない、、、
部屋に戻りスケジュール表を再確認、膝が落ちました。いたた、、とはいえ目も覚めてしまったのでひと仕事やっつけて(ラジオ音声編集と原稿関係)のち、大浴場の温泉につかります。まあ、結果悪くない朝、かしら。温泉サイコーだなあ。
そんなんで済んだかと思いきや、もう一つミス。痛恨!朝食がないものと勘違いしちゃったんです。
8時にレストランに行くも閉まっています。実は8時半からでありました。これも勘違い。這々の体で、買ってあったあんぱんで空腹をしのぎます。引き締めない他にもとミスが出そうで細心の注意を払ってその他を確認、万事問題なしで荷物をまとめてチェックアウトです。機材あるからそこは緊張するよね。
それで、ベリーさんを隣に乗せてクルマで熱海駅へ。彼のスーツケースを荷物預かり所に置いてから町をぶらり、昼飯とあいなりました。駅前の大きなアーケードにあった古い食事処、
「丸福本店」
へ入ります。
古い店ですが、その古さがチャーミングで、わたしはこういう感じがどうにも好きなんですよね。そこんとこ、ベリーさんも賛同してくれてうれしいな。
入口の食品サンプルの蝋細工(現在は蝋では作っていないが)からして嬉しくなるじゃないですか。
さて、ここはひとつ、昨日はカレーも食べたことだしキンメの煮付けでも、など考えるわけですが、店のおばちゃんが注文をとりにやってくるとうっかり口から出た言葉は、
「カレーライス(大)」
ください。
あああ、こんな男なんだよそうだよ。そういう男なんでであるよ。ダメなんである。ベリーさんに大笑いされて涙目なんであります。仕方ないじゃん、知らないうちに口が勝手にさ。
で、カレー。
堂々たる体躯のカレーライスが出てきたよ。こういうのがいいんだよ、こういう場所では。こういうのでいいの。正しく赤缶香る、出汁の効いたカレーライス。ジャパニーズカレーライスの権化だよ。カレーライス以上でも以下でもなく、その先を望むことも必要ない、揺るぎのないものです。
何気なく食べればそのままするりと記憶から抜け落ち、強くカレーが食べたいと思った時に食べるとニッポンのカレーはこうであったな、と原点を思い出させてくれる、そういうカレーライス。スパイスカレーや南アジアの郷土料理とは違う、日本人の舌と記憶に強く刻まれた味。そういう存在です。意外と探してもないんだよね、最近はこういうの。
帰りしな、細い路地にあるいい店だなあ、と思っていた丸福本店は、商店街側に立派で新しい入り口もあって驚きました。
店内がほんのりと坂道になっているのも熱海らしさかね。おもしろいな。