ひなびた、という言い方は山奥の温泉などに使うことがありますよね。和風のニュアンスがあると思っているんですが、まさかインド料理のお店にこの言葉がぴたりと当てはめることが出来るとは思わなかったなあ。
カレーですよ。
東関東自動車道の四街道インターへ続いているにしては随分細い街道筋が通っています。
千葉はわりとこういう道が多いんだよね。なので驚きもしないわけですが。
そんな街道筋の三叉路の角、という感じの場所にこのお店、
「マサラフードセンター」
はあるのです。
その名前とのギャップも楽しい雰囲気ある外観。意識をしていないと風景に溶け込んで見えなくなりそうな、それくらい千葉の少し荒れた街道筋に溶けて一体化している雰囲気なのです。こういうのはとても好きな感じです。
例によってやっているかどうか判断に迷う空気がありました。アジアの人はわりと店頭を明るく飾り立てることをしないイメージがあります。いや、そんなことないかな。
インドレストランでよく派手な店頭の店を見かけるけど、、、おっしゃること、わかります。あれはそういうテンプレを持っている業者がいるんですよ。外注に出すとああなるのだと思います。
そうではなく、慎ましやかにご自分でやっているお店などは味わい、雰囲気があって良いと思っているんです。
あのテンプレートだといい店かどうかの判断が難しくなるなあと感じています。
中を覗き込み、やっている様子を確認。クルマを置く場所がわからなくてご店主に声をかけたら「今どこに停めてますか?ああ、そこならそのままで大丈夫」と教えてくれました。駐車場の場所を聞くために三角の中洲のような空き地の端にハザードをつけて停めたんです。「エンジンを切ってきますね」と伝えて改めて店内に戻りました。
お店の中、なんとも感じが良かったんだよなあ。
奥のストーブが近くに寄せてある席に案内をしてくれました。石油ストーブの上に錆びたカラヒが乗せられており、水が張ってありました。そうか、乾燥しないようにしているのだね。この感じいいなあ。これを見て「ひなびた」という言葉を思い出したのです。
店の右側は少し乾物などが置いてあるマーケットになっていました。
さて、注文。ちょいと迷って、
「2カレーセット」
日替わりのキーマカレーと野菜カレーにしてもらいました。
野菜カレー
トマト強めの野菜カレーです。ストレートなトマトの風味が残る爽やかさで、スパイスや調理であまりいじってない感じの素材の味が前に出るタイプ。うん、こういうの好み。いいですね。
毎日食べられるやつだ。
日替わりのキーマカレー
これがすごく旨かったなあ。ひき肉というより粒肉という感じの大きめの粒々お肉が入っていてね、油がちょいと強めで。そこがいいのです。ピーマンとタマネギもはいってました。滋味深く、油の部分に溶けて入った旨味や香り、コク豊かでとても美味しい。これはいいねえ。
チキンティッカはちょいと水分が飛んでしまっており残念。が、実はこれ、正しいものなのかもしれないとも思えるんですよ。
現地デリーにあるタンドリーチキン発祥の店と言われる「モティマハール」。あの店で体験したチキンはムネ肉を使ったなんだか干からびたようなもので、実はこれが現地の人の好みで正解なのだという話を聞いたことがあるんです。いまだに「ホントに?」って思ってますけど。
それはさておき野菜カレーに混ぜてやると美味しなってまったく問題なし。
楽しく食べられましたよ。
お値段お安めでちょっと他と違う味の調整だな、と思わせる個性もあっていい感じ。
ひなびた、など思ったんですけどちゃんと美味しい、気取らない料理、美味いものを出してもらえる。やってらっしゃるご夫婦も感じがいいです。
いいお店を見つけたなあ。