そのちょっと変わった名前のお店は、ちょっと変わった空気がありました。なんと言ったらいいのかな。ヒリッとするのに落ち着けるとでもいうのかな。
カレーですよ。
お店は川崎駅を出て15号を越えて歩きます。駅からは15分くらい離れるかな。15号を渡ると結構歩くな、という気分になります。住宅街を歩くとそんな気分。でも、15分程度。
大きな公園の手前、住宅街の中という感じの場所にひっそりとありました。
「シロカッコヤ」
という不思議な名前が看板に出ています。
ちょっと空気的にバーという感じがありました。暗めにした照明がそう思わせるのかしら。店内の壁に絵が塗り込められているのが洒落ています。文字通り、キャンバスを木枠ごと埋め込み、塗りこんであるもの。なかなかかっこいいのです。店主がお一人でカウンターにいました。
カレーは2種。その2種を相盛りにした、
「チキン&キーマセット」
としました。チキンカレー、キーマカレー、パパド、ミニサラダ、ドリンク付きで888円。語呂がいい上に安すぎです。驚いた。
やってきたカレー。おや、ちょっと量が少ないか、と思ったんですが、それは間違え。ごはんの量とカレーソースの量がぴたりと合致しています。これでいいのです。きっとカレーの器が大きすぎるからそんなこと思ったんだよね。これに満量入ってたらごはん4倍くらい必要だと思う。
キーマ
肉感が前に出るちょいとワイルドな味わい。おやっと思いました。これはラムとポークを合挽きにしているそう。あ、なるほど。塩の輪郭がカチッと決まった良いキーマです。水分少なめでドライカレー(ハイチタイプ)に近い感覚がありました。辛さも適度にありいい感じ。
チキン
こちらも個性的。ココナツミルクでしょうか、クリーミー&スパイシーという着地。癖は強くなく、しかしどこかオリエンタルな香りが上がるのがいいですね。これは好みだな。ごはんは長粒米でパパドを添えることと共に、ご店主がやりたいこと、こだわりを感じさせます。
お茶菓子がつくのがなんか可愛らしくて嬉しかったです。
食後のドリンクでチャイとコーヒーがあったんですが珍しくコーヒーを選びました。これがシナモンの香りのコーヒーでね、初めから甘くなっているんです。ああ、これいい、初めから甘いのがいい。美味しい。それも結構な甘さで、例えるなら榮太郎の黒飴をコーヒーにした感じとでも言いましょうか。アラビックスタイルかモロッカンスタイルなのかもしれないな(シナモン、カルダモンなど入ることがあるのです)。とてもいいものでした。
あとでホームページを見たのですが「南インドのカレーをベースに、体に良い様々な香辛料やスパイスをブレンドし、 「食べるたびに元気になれる味」を追求し、母とともに提供しております。 」とありました。「南インド料理」ではなく、あくまでベースになっているというだけで「シロカッコヤ」のオリジナルの料理ということです。そこを間違ってはいけないね。それと、お母さまリスペクトなのがいい。とてもいい。
ハットをかぶった口数すくないけど笑顔のマスターも感じが良かったです。
なんだか腰が落ち着くお店だったなあ。
どうしたもんか、もうちょっと座っていたいってずっと思いながら渋々立ち上がりました。コーヒー追加すれば良かったな。