亀戸の中国料理のお店について何度か書いています。いわゆる最近でいうところの「ガチ中華」というジャンルに入るのかな。
カレーですよ。
わたしとしては「中華料理」をいわゆる日本人が思う日本の中華、ラーメンとか餃子とか酢豚とかね。そういうのやってるお店に分類します。そして「中国料理」という呼び方を中国のエスノフードと考えるのがいいのじゃないかと考えているんですよ。線引きが弱いよそれ、というなら「中国郷土料理」とか「中国民族料理」でもいいかもね。
そんな亀戸のガチ中華、
「本格四川料理 天香府」
にはたまに立ち寄るんです。この日は青春18きっぷを使って横須賀線で久里浜まで。東京湾フェリーに乗って金谷。美味しいもの食べて総武快速で帰宅、なんてのをやってました。それで帰り道、亀戸で中華ということになりました。
中華、特にガチ中華系、最近ではすっかりスマート化されており、注文はweb上にあるメニューをテーブルのタブレットないしQRコードを読んで自分のスマホから、などとなっています。ああ、これ、こういう部分こそ「ガチ中華」の「ガチ」の本質なんではないかしら。
食堂、屋台とわずでそういうものに置き換わっている本国、大陸の現場そのままということです。そういうのリアルに感じます。深圳に行ったのはもう結構前だけどそういう感じあったもんなあ。
そんな注文時に以前頼んだ「咖喱牛肉饭」とは違うカレーの名前のメニューを発見したのですよ。アジアのレストランで良くあるメニューの重複かとも思ったんですが、どうやら違うみたい。別の写真使ってるし。
「加喱肥牛定食」
と言います。
カレー炒め煮的なものかなと思ってたんですが、来たのはカレースープ。スープカレーではないよ。カレー粉味のデカドンブリスープに薄切り牛肉が入ったもの。他にも具材は中国式湯葉、青菜、えのきなどが入ります。
まず「どんぶりデケエ!」と叫びます。すごい量だぞこれ。
これにピリ辛の搾菜、卵スープ、どんぶりメシ、口直しの杏仁豆腐がセットされ定食となっていますが、いやこれすごいボリュームだよ。
スープはラーメンスープを越える量でね、間違いなく3人前。うん、3人前あるな。具も底をかきまわせばかきまわすほど出てくる出てくる。こりゃあ大変だ。本当に腹一杯にさせられますね。ありがたいわ。とはいえ「咖喱牛肉饭」にしろ「加喱肥牛定食」にしろ、カレーライスという料理では決してないんですよ。そこが中国郷土料理におけるカレー味料理の面白さであるとも言えましょう。
日本で中華屋さんでたまに出てくる中華カレーは日式と考えていいと思います。外国料理をちょいと自分の国の味に寄せる感じ、でしょうか。
中国ではなかなかカレーライスが普及しないのです。日本の大手メーカーが30年かけて浸透を図っていますが、家庭に根っこを生やすところまではまだまだ道のり果てしない様子。昔からカレー粉で味付けをする料理は普及があるようなのですが、カレーライス、というところにはいかないんだよねえ。
国境を越える文化というところでひと昔前は一番安易なものは食であったと記憶しています。いまはネットワークで届くダンスや音楽に切り替わったのかもね。だからこそカレー味の中国郷土料理が面白く感じます。
そうそう、別のメニューでスパイス料理、ラム肉のクミン味炒め定食もすごいうまいんであるよ。これオススメ。こっちの方がオススメ(笑)スパイス料理の国なんだよ、中国は。