まったく実用とか必需とかではなく、ただ思いのままに欲しくなるもの、というのがあります。それを宝物と呼ぶんです。
少し前にプレゼントとしていただいた
「タイフーン」
は、手に乗せてみるとまったくもって宝物と呼ぶにふさわしいものでした。仮面ライダーの腰に鈍く光るライダーベルト。単純にライダーベルトと呼ばれてしまう事も多いのですが、あの中央に配されるバックルこそタイフーン。V3になってから風車が2つになって「ダブルタイフーン命のベルト」という主題歌の歌詞のなかにに出てきていました。
これは本郷猛のタイフーン。まだ「仮面ライダー1号」になっていないころの「仮面ライダー」の腰にあったもの。
ご存知の通り、仮面ライダーはあの風車に風を当てて回転させ、その力を持って変身となるのです。
真っ赤な風車がセンターに配される「タイフーン」。その羽で風を受け、風車の回転をダイナモが受け取り、エネルギーに変換して胸部のコンバーターラングへ送られるのです。第一話ではオートバイに乗った本郷猛が「タイフーン」に風を受けて仮面ライダーに変身するプロセスが克明に映像化されています。例のハンドル脇のレバー操作でオートバイもサイクロンに変形します。
このタイフーンはペーパーウェイト。
出っ張ったわたしの腹に巻くベルトではなく、大人っぽく、手のひらに乗るサイズのペーパーウェイトになっていました。赤い風車の底にはどうやらベアリングが仕込まれているようで、指で回すと思ったよりもずっと長くその回転が続くのに驚かされます。少しコツも必要みたい。
小さく、邪魔にならないこのタイフーンはいつでもMacBook Airのトラックパッドのそばに置いています。いまもです。キーを叩くのに疲れたりアイディアが枯れてきた時に、仕事の手を止めて赤い風車を回すんです。指で回すとプレセントをしてくださった方の想いとわたしの想いが絡み合いながらその風車から湧き上がります。本物のライダーベルトと同じなんだよ。力が、湧き上がります。
その葛藤や悩みを胸に抱えながらも黙って一人で戦うことを教えてくれたのは仮面ライダー、本郷猛でした。しかし、彼にはその姿を受け入れる仲間が増えていきました。
漫画「仮面ライダーSPIRITS」の本郷猛が帰ってくるあのシーン、おぼえていますか?あの人とオレでダブルライダーなのです。怖いものなどなにもない。
追記
「敵は多いな滝。いや、大したことはないか。今夜はお前と俺でダブルライダーだからな」