もう慣れたわよ。もう、慣れたんであるよ。ビリーザキッドを「カレーですよ。」枠で書くことに慣れたのです。
カレーですよ。
読んで字の如し、なわけで、いちいち書くのもあれなのですが。ご存知の下町大衆ステーキチェーン「ビリーザキッド」はもちろんステーキ店です。しかし、おいしい牛テールカレーの店でもあるのです。ピンとくる方は仲良くなれそうです。そう、それはメキスープのこと。
深夜、
「ビリーザキッド墨田本店」
にやってきました。カレー食べに。
まあ、スープであるわけですが、わたしは密かに「メキシカンカシミール」という名を献上しているのです。
もうね、ストレートに言葉の通りの意味なんです。メキスープ=カシミールだと感じるところがあるんですよ。どちらも好きな御仁にはそのニュアンスが伝わると思うのですが。どうかな。
「メキスープ」
はあくまでメキスープです。
同じ味であるとか寄せるとかリスペクトだとかトリビュートだとか、そういうのでは一切ないものです。偶然にもそのニュアンスが似ている、というはなし。
たとえばそのさらさら加減。たとえば辛さのパンチ。発汗や口に入れた時の舌の反応やらなにやらの「体験」が似ているのだよねえ、上野の「カシミール」に。
強く、辛いんです。チリの「辛さ」で終わらせずにチリの「香り、風味」を生かした酸味で決めているのがね、いいんだよねえ。さらさらのスープなのですが、食べると舌にざらりとくる食感も手強さを感じさせて好きな感じ。温度が下がると酸味が立つ感じも面白いのです。
ガッチリと辛いので、ここでメキサラダの甘みが効いてくるんだよ。本当に甘いんです。「甘め」ではなく「甘い」のですよ。このサラダは本当に独特、初めて食べた時は驚いたもんなあ。このサラダのルーツを知りたいと思っているんです。
こういう感じで深夜「愚かな食事」という体でステーキと米(大盛り)と辛いスープを喰らうのは(メキサラダは追加おかわり)悪事の限りを尽くすという感があってちょっと快感さえ感じるわけです。
そんな追加おかわりメキサラダに助けてもらいつつも、頭頂部か湧き出る汗の泉がもみあげのあたりにたらりと伝っていくのがわかります。わたしは顔に汗をかかない体質なんですが、一方その頃帽子の下とシャツの背中ははぐしょぬれ。帰って帽子と共に洗濯をせねばいけないな。
奥の席で法被姿の若い衆らがステーキで打ち上げをしていました。そうか、今日は祭りであったか。5月だもんねえ。いいじゃないか、ビリーザキッドで打ち上げ。
来年も頑張っておくれ。