カレーですよ5087(森下 カトレア)元祖だから、じゃなく思い出の店だから選ぶ。

元祖カレーパン、なわけですよ。(元祖論争にはそんなに興味ない)たまに気が向いては買っています。実はカレーパンはそれほど所望せず、のあたしです。

 

 

カレーですよ。

 

 

でもね、ここのは別格なの。元祖カレーパンだからではないよ。子供時代の「うちの近所のパン屋」だったから、です。だからカレーパンが一等賞ではないのです。

わたしの思い出と体験から甘しょくが優勝なんであるよ、子供の頃のわたしとしては。森下にあるパン店、

 

「カトレア」

 

で毎度カレーパンを買うんですが、森下に実家があったわけではないのです。

大島、いま住んでいる町の小さな交差点にあった、子供時代の記憶の中のパン屋さん「メイカ堂」。確か新大橋通りと交差する中央銀座商店街の6丁目側あたりの角にあったはず。わたしが現在毎日買い物やら実家やらに通ういつもの交差点です。

少し薄暗く、斜めに日差しが入る小さなパン屋でね、よく甘食を買ってもらってまし。メイカ堂の甘食が好きだったな。元祖カレーパンになじんだのはもっと後になってからだと記憶しています。そもそもその子供時代に連れてってもらった近所のメイカ堂にカレーパンがあったかどうかも今となっては定かではありません。その後そこのお店は無くなって、その代わりに向かいに建った大島六丁目団地の1号棟にメイカ堂が移転しました。今思い起こせばメイカ堂はどうやらカトレアの支店なり暖簾分けなりであったよう。

「カトレア」の前身は明治10年深川常盤町創業の「名花堂」。その近くの新大橋通りに洋菓子店「カトレア」も出店。昭和2年に「洋食パン」として実用新案登録されたのが「元祖カレーパン」のルーツとなります。前も書いたよね。のち昭和45年に店名を「カトレア」で統一。現在の森下のカトレアになったそうです。きっとメイカ堂はその分家だね。

さて、森下のカトレア、

 

「元祖カレーパン」

 

はパンが主ではなく、カレー餡のかたまりをパンで薄く包んだ様なスタイル。独特だと感じます。オリジナルと、現在では辛口も販売されていて、あれば両方買うわけです。

オリジナルの方はラグビーボール型。辛口は丸く成形されています。とにかくフィリングが多いんだよ。「食べればお腹いっぱいで幸せにしてくれる」があるんだよ。大事だなあ、これ。これぞカレーの良いところ。カレーパンであるのにこれがあるのはすごいことだと思います。

ほら、カレーライスってお腹いっぱいというイメージがあるじゃない。それをパンで実現、はたいしたもの。聞けばパン生地が40gに対して具が70gという割合らしく、なるほど納得です。

甘めのカレー餡。「カレー餡」というものいいが一番ピタリとくるとわたしは思っているんですが、ぽってりとしたほぼ固形のカレーがたくさん入り、味はととえば戦後大流行りとなった洋食のカレーライスそのものの味。うんうん、これが今日までパンの中で動態保存されて来たことはすごく価値がある。

辛口も意地悪で過ぎた辛さではなく、ピリピリしてちょうどいい辛さの調整。

どちらもいいねえ。

カレーパンを食べた、という以上にカレー食べた、という感が残るのが、いいねえ。