近隣インド料理のレベルが更新された感がありました。これは驚き。レベルが高いレストラン。
カレーですよ。
わたしの部屋からは自転車距離です。電車だと亀戸駅からは歩いて少々かかります。そうですね、近隣の人ならオーケーストア亀戸店の京葉道路挟んだ向かい側あたり、でピンと来るはず。京葉道路沿いではなく、1本入った落ち着いた場所にあります。
膝、痛いなあ。カレー、食べたいなあ。
たまたまなんですが、膝を痛めてクルマで近所の病院に行った時に、帰りに食事を、と思い、すぐそばに駐車場がある店を探したらここが出てきたのでした。ご縁というやつです。
「ロイズキッチン / Roy’s Kitchen」
外観はかわいらしいカフェのよう。黒板に色々な情報が入るのが楽しいね。店内はさっぱりとシンプルな感じで快適です。
先に書いちゃうとね、驚いたのがペーパートレーで料理が出てきたこと。なんとなく持ち帰りメインのニュアンスを感じたんですが、だからかな、でも店内もきちんと客席があります。
そういう中で、料理が華美というほどでもないのに安っぽくならい見た目になっているんです。これすごい。なんでこういう調整ができるんだ?きれいさと整然とした感があるよ。こういうのは普通の皿以上に美学が求められると思うんですが、なにかオーラを感じました。期待、高まります。
頼んだのは、
「Bセット」
カレーが2種ついて、飲み物もついてきます。
チキンカレー、野菜カレー、豆カレーの中から野菜と豆にしてみました。
食べればまた驚き。大変に洗練された味なんです。ああ、これはきちんとインド料理。そして正しくレストラン料理の洗練があります。ドレッシングもきちんと選んであったり、チャパーティーの焼き上がりがスマートだったり、バスマティライスをきちんと下味をつけていたりと抜かりがない。レストランクオリティです。それもいいとこの。
季節の野菜カレーはトマトベース。フレッシュの野菜を使ってあって、にごりのない美しい味に仕立ててありました。野菜の味がきちんとわかる調理で、なるほどちゃんと手をかけて作ってあるのがよくわかります。野菜使いの真面目なシェフは信頼が出来ると思っているんですよ。大変な美味しさ。
豆カレーは挽き割りのムングダール。ダールマッカニー的に仕立ててあって、しつこくなく重くならないバランス。バターやクリームかな、使ってあるようで実に美味しい。これはいいなあ。甘くしていないのもとても正しいと思います。ほうれん草を少し入れるのも個性があって好みだし。これは大したものだ。久しぶりに豆カレーで唸ってしまいました。
どちらもパンジャーブ料理ということになるのかしらね。大満足の味です。
途中でシェフがミントチャトニを出してくれました。インド料理好き?みたいな話しをやり取りの中で、です。これまたセンスのいいスマートな味でね、辛さのチューニングも絶妙。いい、これいいぞ。万能だ。チャトニはやっぱり作りたてが美味しいなあ。
日本のインド料理は食堂が多いよね、という話しでちょっと興奮気味に「ノットキャンティーン。ダッツレストランテイスト、アイライキットベリー!」 なんてこと言ったらシェフがとても喜んでくださった。実際、あとでInstagramだったかな、プロフィールを見せてもらったんですが、オベロイにいたり(ニューデリーに行った時オベロイのチョコレートケーキのレベルが最高で驚いた!)シンガポールエアのケータリングなどでも腕を振るってらっしゃったようです。日本では南青山の、とあったので、なるほどこれまた納得。
食後のチャイはかわいらしい湯呑みできました。これまたきちんと最後まで美味しい。
まったくもって大満足です。まったくなるほどとしか言いようがない。
シェフとは半分英語と半分日本語に身振りを交えてちょびっとおしゃべりしました。
日本のインド料理はネパールの人がほとんどで、と誇り高きインド人シェフなら必ず出してくる話題から始まって、わたしからのバターチキンのリトルスイートでモアサワーで、の話しににこにこと頷いてくれたり、インディアンキュイジンであってストリートでもホーカーズでもないよねという話など、楽しいったらありゃしない。
ホールにいらっしゃった日本人の女性にペーパートレーで料理が出てきたことを聞いてみると、家族でやってて洗い物を抑えたいという話が出て、これは納得。ケータリング志向もあるように感じます。本当に不思議なんですが安っぽくないからなんの問題もないわけです。食べればわかる、というのも大きいね。でも、たまにターリ盆でも出すんですよ、と四角いボージャンタールを見せてくださった。臨機応変のようです。
わたしの部屋から自転車距離で言えば、同じくレストランスタイルで南のサウスパーク、ちょっとくだけて、でもそのバリエーションとセンスに驚かされるマハラニ、と名店揃いなんですが、ここもその片翼を担ってくれそうな間違いのないお味。まいったな、こりゃ。
持ち帰りでパーティーなどもいいかもしれないし、それよりもお邪魔して、料理の相談をシェフとして、お店でパーティーなんてのは最高なんじゃないかな、なんて思ったよ。