浅草は年末になるとついつい足が向くのです。特に年末の30、31日などかなりの頻度で浅草にいたりします。わけはちゃんとあるのです。
カレーですよ。
子供の頃、どうにもしいたけが嫌いでした。もうホントにやだった。母と祖母が年末、おせちの準備を始めるとわたしには家に居場所がなくなります。そう、家の中がしいたけのにおいでいっぱいになってしまうから。いやもうダメだわ。
それですぐそばのバス停からバスに乗ってしいたけのにおいから逃れるように浅草に辿り着くわけです。年末の浅草寺の境内は31日の夕方からの準備でテキ屋さんたちが忙しく歩き回り活気があって何だか気分がいい。参拝客は当然まだまだ多くはなくて、初詣にも来ないくせにお参り納めをしてみたり、あてもなく歩き回ったりします。
大人になってもそのクセは抜けず、なんとなく年末は浅草に辿り着きます。痛恨なのは「夢屋」がなくなってしまったことだなあ。年末のカレーはあそこと決めていたから。そんな浅草で新しいのに黄色いカレーを出すお店にめぐりあったのです。
「カレーライス たんぽぽ」
というおみせ。
駒形橋のそばにあるカレー専門店。場所的に浅草の喧騒を避けられるのが良い感じ。浅草の町に馴染むうるさくならない洒落た店頭にも好感をおぼえます。まだ新しいお店みたい。2022年11月に開店したんだとか。同じく浅草にあるスパゲッティ専門店の「カルボ」の新業態、新たなチャレンジらしいです。
お店に入って券売機で食券を買って注文を済ませました。しばし待てばカレーが登場、、、
いや、ちがった。実はその前に驚かされたのが、お水。
スプーンがコップに刺さってやって来たではないですか。いやーこれはなんともはや楽しい、懐かしい、驚いた。
クラシックライスカレーを知るお店、というわけかあ。しかもメインは黄色いカレー。やるなあ。わかってらっしゃるなあ。
メニューの名は
「和ミールス」
ときたよ。
インドアレンジがあるわけではなく、ニッポンのカレーライスに副菜、漬物をたくさん添えてあるスタイルです。パパド、、ではないな、これは。自分のとこで焼いたのであろうおせんべいだよ。おもしろいぞ。
カレーは挽肉の入った「黄色いカレー」であり家庭用固形ルウ以前のカレー粉と小麦粉のクラシックな世界観。
付け合わせも面白いのです。きんぴらが意外なくらいよく合っていたり、明太しらたきなんてのが変化を作ってくれたり。
うーん、いいなあ。
あ、なんか、思い出した。こういうのをもう一軒、東京で知っている。まるで神田紺屋町のインデラのようじゃないですか。
インデラは茶色いカレー(第二世代ジャパニーズカレーライス)なんですが、小鉢に10種を越える漬物と副菜がテーブルに散りばめられてそれらを取り放題。あの感じを思い出しました。あれをパーツとしてニッポンの黄色いカレーとミールスという南インド流のスタイルで再構築した感じかな。センスいいなあ。楽しいなあ。
このやり方はなかったよね。新鮮です。浅草という立地含めていいと思います。
チーズおかかというのがメニューにあったのですが、次にぜひ試したい。
また行きましょう。