なぜわたしは五井なんぞにいるのか。なぜなのか。それはかわいい電車の写真が撮りたかったから。
カレーですよ。
用事が定期的にある千葉にいました。海側、蘇我のあたりです。ひと通りの用事が済んで、そういえば、と思い出したのが五井駅。用事がない人はあまりご存知ないであろう、しかし千葉駅から4〜5つしか離れていない内房線の駅です。
なにがあるわけではないのですが、かわいい電車の始発駅なのですよ。JRとならんで小湊鐵道の五井駅があるんです。まるで1970年代のような景色、空気の中に古い鉄道車両と木製の貨物車、これは倉庫になっているのではないかしら。
そういうものに会える駅なんです。
夕方のいい光でなかなかの写真が撮れるねえ。楽しいねえ。とはいえ手持ちはカメラではなくpixel8ProとiPhone14なのでちょろちょろと楽しく撮って。さて、おなかがすいたぞ。
見つけたのが、
「洋食屋」
というストレートな名前のお店。その名の通りの内容でうれしい、ほっとする感じいいお店でした。あの電車を見た帰りにこういうお店、というのはちょっとしたタイムスリップ感を感じてしまうねえ。そういう幸せが店内にあると感じます。
メニューを見てもそういう気分は変わらずで、ハンバーグもビーフシチューもエビフライもクリームコロッケもなにもかもある。満ち足りた気分でメニューを眺めると、もちろんカレーもあるわけです。ついついカレーが出ているページを探してしまうわたしなんですが、これが落とし穴なのよ。
カレーもあるんですが、カレー味もあることが多いのが、その落とし穴。よく引っかかるんです。ついカレーカレーと生き急いでしまうわけですがそれでは人生短かくに終わってしまうのであるよ。じっくりとメニューを眺めると、よし、発見。
「カレーハンバーグ 目玉焼き添え」
に決めました。
カレーという食べ物はそこかしこにするりと入り込み、何食わぬ顔でその場所に馴染み、同化して知らんぷりしながらわたしたちを待ち構えているものなのです。お忘れなき様に。
さて「カレーハンバーグ 目玉焼き添え」、なるほど納得の名前通りのひと皿ですねこれ。要するにカレーソースがハンバーグソースとしてそこにある、というもので、ストレートこの上ないわけですよ。で、ちゃんとおいしい。尊い、素晴らしい。これでいい。ちゃんとなにかこう、尻の座りどころというものを持っているハンバーグです。
奇を衒わないしっかりハンバーグと洋食屋のザ・カレーライス。その一体感はなんの違和感もなく、しかしカレーライスではなくカレーハンバーグなのであくまでおかずとして機能し、ごはんの上にかけてしまいたい衝動はやってこないわけで。これはとても正しいなあ。
コーンスープつくのも嬉しいなあ。正しく洋食屋さんです。つけあわせのフライドポテト、にんじんとインゲンも正しくかわいらしく。いい、いいですね。なにかいい流れでいいものを食べちゃったな、という気分が残りました(電車含む)。
どうやら本当にくちあけすぐのお客となったみたいで、しかも二人組のお客さんと重なってしまい、店主お一人のところバタバタさせてしまったようです。申し訳なかったです。程なくして奥様も到着。ホールを回しはじめてらっしゃいました。
お安いお値段で楽しく幅広いメニュー、またおじゃましたいです。