前のお店。素晴らしい体験をくれた「カレー専門店マジョラム」。「せっかく秩父まで足を伸ばしたのだからハシゴを考えたがそれはいけない、余韻も余すことなく、、、」など書いたのですが。
カレーですよ。
のですが。
思い出してしまったぞ。あのお店があるんだった。秩父のラスボス、あの店が。
そうだった秩父、そのまま通り過ぎるのはちょっといかんだろうなあ。いかんいかん。いやしかし。ああ〜どうしようか。とりあえず通るだけ通って店をみてみようと思ったんです。そうしたら吸い込まれた。謎の吸引力があったのであるよ。あれよあれよというま、やすやすと引っ張り込まれちゃった。
外観はどちらかというとおとなしい部類に入るんじゃないでしょうか。インネパテンプレートのあの感じの派手さもなく、外壁に貼られたたくさんののぼりがなかったら地味と言ってもいいでしょう。しかし。
祝日ではあったんですが、それにしてももう14時を回った時間帯。けっこうな広さの駐車場でね、20台ほど停められそうなスペースがクルマでいっぱいに埋まっているわけです。これはいったい何事か。後で聞けばランチのコアタイムは行列渋滞ができるとかなんとか。そうかあ、人気店。
クルマをするりと駐車場に入れればわずかに1台分だけ空いていました。お店に入るとわずかに一人分だけテーブル席が空いていました。こりゃあお導きだわ。どうやら一人客があたりまえのように何事もなくスムーズに席を確保できたのは奇跡だったようです。テレビに何回も紹介される人気店でありました。
「ほんとのインド料理とカレーの店」という名前で通っているようなんですが、ほんとの屋号はなんだろう。これがほんとの名前なのか。いや、違うみたい。
「ほんとのインド料理とカレーの店 ズベールおじさんのインドカレー」
が正式屋号のよう。
「ほんとのインド料理とカレーの店グループ」と言った体で姉妹店、グループ店が埼玉、千葉に5店。ああ、そうなのか。成田で入ったことがある「ラムじいさんのインドカレー」はグループ店だったのか。ここが総本山なのかあ。なるほどなるほど。
お店に入るといきなりミラーボールが目に飛び込んできた、、、と思ったらどうやらこのお店の社長です。ラメラメスパンコールでお客のお会計中でした。
入り口にはオリジナルグッズが入ったガチャポン2台が設置され、地元の情報パンフなどがたくさんおいてあります。シンプルな外観とは裏腹、初めから、入り口からして情報量が多いぞ。レジ前から8畳くらい、むげん堂風味と言いましょうか、インドの雑貨と服が売られているコーナーもあります。これも濃いめだ、うむうむ、濃いめ。
店内はインド民藝風の衝立で各席が仕切られています。奥には小上がり的に土間があって大きな丸テーブル。なかなかに快適。客捌き鮮やかなインド人店員さんの仕切りで席につきました。さあ、注文だよ。
さあ、困った(笑)。
メニューの圧が強いんだこれが。アミダ、、メーテ、、渡るせけ、、なんだこれ。そおっと閉じて比較的圧の少ない、
「石焼き秩父わらじカツカレー」
を選んでみました。イ、インドレストランに入ったはずだよね、あたし。よーく見たらこの圧の強い数々以外にスタンダードなインド料理のブックメニューもありました。安心してね。
まず初めにお水のコップと大根の千枚漬け、サービスの薄甘のコーンスープ、サービスのマンゴージュースが出てきます。
はじめからサービスダブルでアクセル開度大きめです。飛ばし気味だな。
わらじカツカレー、すごかったよ。わらじカツを200円で1枚増量できるみないなんですが、出てきたものを見て冷や汗をかいた。1枚で十分な大きさです。というか、でかいぞわらじカツ。あぶなかった、欲張らなくてよかった。絶対食べきれないもん。
しかも、だよ。石焼なのであるよ。韓国料理でもよく使われるアレ、石鍋が熱々に熱されてやってくるわけですよ。カレーが溶岩のようにふつふつと小さな泡と蒸気を噴き出しているじゃありませんか。こりゃあ困った。ずっと写真撮っててもまったくさめない。
デカくて熱くてなかなか食べられなくて、見ていると食べてないのにお腹いっぱいになってきて大変なことです。むしろもっと写真撮って冷めるのを待つほうがいい。
いや困った(面白い)。
それで、食べてみるねと、なるほどうまい。
カレーはスタンダードな日本のインド料理的な納得いくうまさ。そこにわらじカツ。でかいんであるよ。洋食レストランで出てくるポークソテーをそのままカツに仕立てたサイズ感で、しかも、うまい。わらじカツ、いいなあ。たしか味噌だれにつけてあるんだったよなあ。こりゃあいい、こんなにいいのねえ。極めてニッポン的な味がキーマカレーによく合うんです。おもしろいなあ。
スープと漬物はリピートで出てきたよ。繰り返します。スープと漬物はリピート、同じものでてきます。間違えたのか?いや、きっとサービスだな。サービス過剰で楽しいぞ。ラッシーも来たよ。まだある。いちごの香りのお茶も出た。
とにかく腹がいっぱいになる。これで1000円ちょっとっておかしいぞ。
で、この時点でまだ本当のサービスがやってきていないのを知る由もなかったんであるよ。
各テーブルに社長降臨なんであります。小林幸子級であるよ。しゃりーんとスパンコールなカッコいい上下に羽の生えたシューズ。宇宙人級。いや、秩父のラスボスか。
みーちゃん社長、カッコいい!!
そんないでたちで優しい気遣い。そりゃあみんな好きになってしまうよね。地元の名士です。テーブルを回り、お味どうですかとかこんにちは、とか。お菓子を配ってくれたり。なんだろうこのスターオーラ。すごいすごい。なのにとても優しくてやんわりした雰囲気なの。いやいやあたしもひとめで好きになりました。
帰り際に美味しかったことやInstagramで知ったこと、いろいろおしゃべりしていたらまたプレゼントをいただいてしまったよ。
これはなんとかして連載の取材に来たいものだなあ。