岩本町のスタジオにクルマで行くことがあるのです。地下鉄がベストなんですが、クルマを使う他の用事も済ませたかったり短時間で済む打ち合わせなどあるとクルマを使うのです。
カレーですよ。
裏にパーキングメーターがたくさんあるので都合がいいんだよね。ただし、界隈パーキングメーター回りのおじいさんたちが厳しい場所なので1時間のリミットは厳守。絶対です。
で、クルマでの移動半ばでスタジオの昼休みの時間にに入ったのでこちらも時間調整、カレーを食べることにしました。
人形町を通り過ぎたあたりでちょいとカレーを探します。いいお店を見つけたよ。
「インドカレー フジヤ」
いいお店だった。古いビジネス街の片隅という感じの場所、シンプル無駄のない、しかし強く伝わる看板。細いカウンターだけの店内。好きな感じだなあ。玄人好みのお店、そういう感じ(特に言ってみたかっただけでそうじゃないかもしれない)。
カレーはむかしのインド風カレーです。思ったとおりのうれしいやつが出てきました。インド料理、民族料理ではない、むかしのニッポンのコックさんたちがイメージしたインド風。このジャンル、たまらなく好きなんだよね。舌にもからだにもしっくりとフィットする気がしています。こういうものこそ日本の食文化の真骨頂だと感じます。換骨奪胎、オマージュを感じます。
さてカレー。うん、いいのが出てきた。
タマネギをしっかり炒めてトマトと合わせた、背骨がまっすぐなカレーソース。甘さに頼りすぎず、でもやっぱり土台が旨味で決まっており、そういうしあわせなソースの中にスパイスが穏やかに配されます。こりゃずいぶんいいなあ。
ビーフからやってくる幸せな旨みがまたたまらなくねて。脂身までちゃんとおいしいたくさん入ったビーフの尊さに思わず手を合わせたくなるよ。そんなありがたみ感じる良カレー。
これは好みだ、これはうまいぞ。
お客たちもいいんです。とにかく食べては出てゆくからね。無駄なく休み時間を使うサラリーマンばかりで行儀がいい、感じがいい。そういう人たちに支えられる空気が大変快適、心地いいんです。
古いビジネス街など、こういう場所にはたまに間違いのない拾い物のインド風カレーが隠れているんですよ。絶滅の声も聞こえてきますが、どっこい、まだまだ元気で価値あるジャンルだと思います。
強く応援したいね。