カレーですよ5328(小村井 ビリーザキッド墨田本店)ビリーザキッドカレー(勝手)ふたたび。

ビリーザキッドは大衆ステーキの店です。本人がそう言っているのだから当たり前なんですが、間違いなくステーキ店。が、しかし。

 

 

カレーですよ。

 

 

カレーばかり食べているわたしのような男としては、カレーをメニュー内に見出すこともできるんです。特殊能力です。できちゃったんであるよ。

まずはいつも通りの

 

「インディアン」

 

を注文。

高い安いではなく、こいつが気に入っているからひたすら頼むのだよ。30年来の友であるからして。うまいなあ。決して高級な肉ではないですが、こういうのがいい、こういうのが自分の腹には合っている。そう感じます。もはや宗教儀式に近いものです、わたしにとって。そういうものなんだよ、インディアンは。

今日は本当に珍しく、1人ではないんです。奥さん連れです。なので本日還暦を迎えて余裕のなくなった胃袋に助っ人がいるという形となったわけで。いつもなら1人では頼みきれない「メキスープ」と「チリコン」もオーダーです。これは喜ばしい。

 

で、だよ。こっからだよ。

「メキスープ=メキシカンカシミール論」というのを書いたことがあります。あの辛くてさらさらの上野にルーツを持つカシミール。あれをメキシコ出身と仮定してやっつけるとこうなるのではないか、という話しです。厳密には辛い牛テールスープなわけで、上野生まれのあれとは赤の他人であることは百も承知です。なのに思い出すのはあのシャープな辛さとクセになる味。いや実に不思議、面白い。

それで、いつもついついメキスープをごはんにかけて止まらなくなるわけなんですが、本日、次のステップへ。チリコンを注文です。これをメキシカンソヤキーマと当て嵌めてみたわけです。この発想力!(自画自賛)

「チリコン」自体は挽肉と豆の炒め煮的なもので、辛くはしておらず旨みと控えめの塩味を楽しみ食す仕上がり。これをごはんの上にカシミー、、違った。「メキスープ」とともに並べてかけるのであるぞ。これを塩梅よく混ぜながら食べるのです。これは旨い。ああ、実に、とてもいい。旨いなあ。

むかしむかしは「メキスープ」をカレーだなどこれっぽっちも思わなかったですよ。しかしある日を境に「これ、カレーとして扱ってもいいのではないかしら」と思い至ります。それというのも「酸味」というキー。酸っぱさをカレーの要素の一つとし、それを前に打ち出すようなカレー、主にインド料理なんですが、その中でもいわゆる南インドの食卓に似た感覚の料理を見つけることがあります。ゴアの料理でもあったかな。

とはいえ世間に説明すれど世迷言だわかりづらいだのと黙殺されてしまっていたんですが。黙殺されるのはわたしであります。しかし時代が追いついてきたよね。酸っぱいカレーというものがあるという認識にはじまり、それら悪いものではないと受け入れる層が都市部で続々と出てきています。世の中の舌の進み具合と連動していた、というわけ。そういうことだな、そういうことだぞ。

さて、では、「メキスープ」。そして「チリコン」。混ぜれば立派なカレーとなります。しかもかなりの高得点のやつ。うむ、素晴らしい。

願わくばこれを読む諸兄に於れては「メキスープ・チリコン・ごはん」のみのオーダーなど無粋なことはやっていただきたくないのです。あくまでステーキメニューの中、サイドメニューで組み立てる簡易カレーですから。誰も気が付かないけれど、店内で自分だけがカレーを食べているという面白さ。そういうのが粋な楽しみ方でありましょう。

面白がってやってくださる方が出てくることを祈っています。やってみた折には是非その感想を教えてほしいです。