カレーですよ5496(下北沢 SANZOU TOKYO)豊かな香りとアイスチャイ。

「SANZOU TOKYO」のサンゾーは三象、でありました。食べ終わった皿の底に三頭のゾウが浮かび上がったよ。

 

 

カレーですよ。

 

 

なかなか下北沢に来る機会がないままであったのです。とにかく路地が複雑で狭くてさ、コインパーキングが高いでしょ。すまぬ、いまのわたしのライフスタイルではこの場所はなかなかにハードルが高いのであるよ。そう思ってたら突然ひと月、けっこうな頻度で下北沢に通うこととなったのです。これ幸いとカレーであるよ。

本当は自店舗のカレーを食べねばいかんのですが、そちらも仕事ですが、地域のカレーを食べるのも仕事なんであるぞ。そういう言い訳をしながらカレー経験値を淡々と上げていくのです。

もちろん知っている、

 

「SANZOU TOKYO」

 

は、かの柏ボンベイ「カレーの店ボンベイ 本店」のブランチであります。

磯野シェフ肝入りのここ、「SANZOU TOKYO」は「東京ボンベイ 恵比寿本店」と同様のカレースタンドコンセプト。向こう同様の形態はカレースタンドであってしかし昔のお気楽なアレではなく、スタイリッシュなほぼスタンディングバーという体。

 

磯野シェフのスタイル、美学を反映した実にこう、カッコいい店なのです。

 

「コルマカレー」

 

を券売機で購入。ついついコルマ、なんであります。

券売機のカレーメニュー名、ちょっと面白い他でか聞かない名前がついたものが多いんです。そういう中でカシミールとコルマは不動の看板ということになるかしらね。そりゃあそうだ。そこは推して知るべし。それで、コルマをやっぱり選んじゃうわたしなのです。

「SANZOU TOKYO」のコルマはタマネギ甘くて幸せなやつ。タマネギを焙煎したふくよかな味わいが口いっぱいに転げ回ってたまらないんです。そこに一筋の香りの風を吹かせるつけ合わせが、タマネギとキュウリのアチャール、テーブルの上に置かれる容器に入ったピクルスです。

 

本当に香りが良くてねえ、食べていると美味しいというよりも気持ちいいと感じるんです。ちょいと不思議な体験となるんです。これがまたクセになって困るのであるよ。遠慮がちに、しかしついつい2度3度とつけ合わせを容器からつまみ出して皿の端に積み上げます。ああ、とまらない。磯野さんすんません。

食後にはアイスチャイが出てきました。気が利いているなあ。ラインナップ中、わりと甘めのコルマを食べても汗は出ます。口は辛くないけど上手にスパイスを使っているから体の奥底から汗が湧き出てくるんだよ。上手いなあ。それをリセットしてくれる仕上げのアイスチャイは濃厚で深い甘さ。最後にこれが出てくるのはとても好みです。本店でいただくチョコレートを飲み物に変換したイメージかしら。そんな気分だったよ。

立って食べるつらさなど微塵もなく、それはつまり皿に集中できたということ。こういうのは楽しいな。

磯野シェフに道筋を誘導される感があって面白いのです。

磯野さんが導いてくれるなら、わたしはその道を行くことを選ぶよ。