陽も落ち、とっぷりと暮れた細い山里の街道沿い。奥多摩の道は真ん中に細く険しくなった多摩川を挟んで青梅線側の青梅街道と川向こうの吉野街道が並行しています。わたしは割と考えもなく青梅街道を使うことが多いにですがGoogleマップを見ると帰り道に吉野街道を指定されることが多いと感じます。
カレーですよ。
夕暮れも終わった暗い夜道、家路を急ぐわけなんですがその途中、見慣れぬ看板に「カレー」の文字を見たのです。
うむっ!一瞬の躊躇の後にブレーキ、クルマを転回してその看板まで戻りました。果たしてそこはカレーのお店。行燈看板には大きな文字で
「カレー男」
とありました。なんだそりゃ、と店に入ることに即決めます。どうやら居酒屋営業のようだなあ。しかし、カレーがあるもの。もちろんカレーがあるからね。なにしろあの看板だから。昼間はカレー専門、夜は焼き鳥食べて飲んでカレーで締めるというようなスタイルらしいぞ。
カウンターで常連が楽しそうにしています。
さて、
「牛すじカレー」
いってみようかね。カレーは潔くこのひとつのみ。揚げものなどを追加して乗せられます。
きたきた。ステンのオーバル皿にごはんと共にやってくるカレー。福神漬けは別皿提供です。クラシックな姿だねえ。食べてみると甘さを抑えめにした渋めのスタンダードビーフカレーという感。粘度高くごはんによく絡むんです。なかなかにいいのではないかしら。飾り気なく、しかし丁寧。今どきこういうやつにはなかなか出会えないよね。
場所柄というところでもよく馴染む味、キャラクターだと感じm1す。こういう場所であんまり小洒落たものを出すのはちょいと危険。流行りものではない本物を出さねばいけないと思うんです。正しい選択ではなかろうか。いいね、いいと思います。
感じのいいご家族がお店を回していました。明るい雰囲気で気分がいいんです。
さらりと食べて、さてまた夜道を我が家へ急がねば。