カレーですよ5536(八王子 石油王のカレー)せ、石油王?!

そりゃあんな名前のカレー店があれば入らずにはおれないわけですよ。とにかくなんなのか確かめずにはいられなくなったのです。

 

 

カレーですよ。

 

 

だって、「石油王」だよ。なんなんだ「石油王」。一体どうして「石油王」?

八王子に用事を作って電車でやってきました。思いの外その用事、というか美術展なんですが、時間をたくさん使ったのです。展示の内容が良かったから。たちまち夕方になって、おなかもすいてきます。街のレストランが次々と明かりを灯してゆく時間になっていました。

八王子の駅から伸びるあの斜めの遊歩道の商店街。スープカレーの「ガラク」とか、カレー専門店もいくつかあったよね。そこを外れて裏道に入るとちょいとやさぐれた感じの飲み屋と風俗の通りになります。その猥雑ななかで見かけたのが「石油王」というキーワード。二度見して、その後ろにカレーと書いてあるのをみてもう一度見て。やはり引けぬと階段を登るわけです。

 

「石油王のカレー」

 

と書かれた看板。なんか新手の風俗か、と勘繰ってしまいます。

果たしてそこは、快適なオシャレ空間。極めてクリーンで小洒落たモダンカフェ風の内装。飲屋街である界隈でもちょっと異色の空気なのではないかしら。かなりカッコいい。

店員の若いにいさんも感じが良いです。手慣れた接客とにこやかな雰囲気。リラックスできるなあ。ちょいとゴージャス感がある大きな「王」のアクセントプレート以外はアラブ的重厚ゴージャスな感はなく、石油王感感じぬままです。その「王」の巨大ロゴのところに一条もんこちゃんのレトルトカレーがサイン入りで置いてあったのがね、なんかたのしい。

 

「俺の名はキーマカレー」

 

をオーダー。なんだそりゃ(笑)。いちいち何だか楽しいのであるぞ。カレーは上出来でした。

キツすぎない味、しかしきちんと効果感じるスパイス遣い。ナッツが多用され食感に幅が出るのが楽しいものです。その食感、温玉との対比も面白いね。周りに散らしてあるピンクのミジンは桜漬けかと思ったらさにあらず。タマネギの酢漬け、アチャールでありました。微塵にして散らすというのにセンスを感じたよ。お腹にキツくないのも特筆。いやこれはいいカレーじゃないの。いい、いいぞ。

さすが石油王、八幡屋礒五郎とのコラボレーション七味が置いてある。すごいなこれ。八幡屋礒五郎はオリジナルで唐辛子、クミン、コリアンダー、ブラックペッパー、クローブ、シナモン、陳皮の7種類をブレンドした「七味ガラム・マサラ」という製品を持ってるんですよね。こういうのもできちゃうんだねえ。

 

キーマカレーはオリジナルの「石油王のカレー」のリミックスだとのこと。この日は初めて入ってこれから行ってしまったんですが、オリジナルも食べてみねばいけないな。

先ほどのホールのにいさんがスタンプカードをテーブルに持ってきてくれます。レジで渡すのがセオリーだよねって思うんですが、さすが石油王。テーブルでの丁寧な説明やにこやかな表情に自分が特別な客なんじゃないかと勘違いさせられるわけですよ、なにしろ「石油王の店」だから。素晴らしいぞ。

風俗もホテルも飲み屋もあるあの八王子の猥雑な通りにすーっとそこだけ空気の綺麗さが違う空間があるのはなんだかおもしろいな。よかったです。また行きたい。あ、なんで石油王か聞き忘れた。