なんでもお寺でカフェをやってると聞いたんです。昨今、そういうのは多いらしいよ。たしか築地本願寺にもあったはず。
カレーですよ。
築地本願寺のカフェにはカレーがあるかどうかは知らないんですが(どうやらお子様カレーのみあるらしい)。
それで、カレーもあるよと耳にした赤羽岩淵の
「正光寺」
行ってみると大変立派なお寺でありました。
敷地は広く、本堂前のよく手入れがされた美しい広場の中央に、かなりの高さのケヤキの大樹がシンボルツリーとして聳え立つ素晴らしい眺め。石畳の参道が配されていて、それが山門をくぐって岩淵世継大観音へと続いています。
建立からおよそ800年、地域最古の寺なのだとか。近年の再建で伝統的な作りに加えてモダンで美しい部分も上手に内包されていました。とても快適な場所です。
そんな「正光寺」で土日限定の寺カフェをやってらっしゃると聞いたわけです。
「いわぶち茶寮」
という屋号。むろんカレーを求めて行ったわけです。入り口に「いわぶち茶寮 由緒書」というのがあってね。読んでみると大変共感ができるものでした。
「食」というもの。育て、収穫し、調理ののち皆で食べる事。このサイクルのなかで多くの現代人が「収穫」、そして「調理」などまでが体験なされず、出されたものを食べるばかりとなりがち。合理的ではあるものの食への感謝が疎かになるのではないか。
これを食い止めたいという思いで活動グループ名「 御膳衆/ごぜんしゅう」を結成。文化活動として食の原点回帰を目的に寺カフェ「いわぶち茶寮」を始動。そこには「正光寺」が大切にする「内観と念仏」の考えに通じるものを持っている。
とざっくり要約ですが。うん、なるほどこれは共感。
それってつまり、食の原点回帰を通じて日本人らしい心も取り戻そうという活動に思えます。「いわぶち茶寮」を利用することで社会貢献の輪の一員になるという仕掛けがあるようで、そういうの好きだし乗っかりたい。代金は食育や地域支援の活動に還示されるということで大変に価値があります。
さて、では地域と食への貢献も兼ねてのカレーです。
「正光寺カレー + アイス抹茶ラテ」
という注文にしてみました。カフェに使われる檀家さんの集まるお部屋ではなくて、まず寺ム所(あ、社務所じゃなくてね。お寺だからね)でお声をかけて注文を聞いてもらって支払いと交換で番号札をもらいます。あとは先ほどのお部屋、茶寮でのんびり待つという流れ。ぼんやりと静かな時間を過ごしているとカレー、やってきました。
カレーは出汁系のおうちカレーそのもので、ぽったりとした感じの粘度高め、スタンダードなもの。こういうのはもうなにも言う必要なく正しいものですからね。じゃがいもとにんじんがたくさん入っており、それもなにかこのお寺との繋がりある方が育てたものだとか。
カッコつけず、華美にせず、落ち着いた普通のおうちのカレー。そこにたくさん想いを込めてらっしゃる。そういうものだけで尊いと感じます。これでいいと思う。
抹茶ラテ、実は抹茶系のアレンジものは手をつけない主義なんですが(ただもう普通に淹れる抹茶が好きなのよ)、ちょいとチャレンジ。甘くないからこそ際立つ、抹茶の風味とラテの優しいコク。甘くせず自然な感じなのは、なるほど、これも悪くないぞ。
土日限定のカフェ営業。近隣を散策とセットで楽しめます。
美しい敷地の中を散歩もいいと思うよ。
【追記】
盆休み4。とか盆休み5。はありません。エレンさん、、、と思ったあなた。ビッグニュース。36房からエレンさんの残してくれたレシピの新製品、出るんだってよ。アナン父さん、、、と思ったあなた。もちろんカレーブックは永遠の定番ですが、ちゃんとバラッツくんが立派に後を引き継いでどんどん新しいものを考案したり普及に努めたりしているからね。どちらもまだ動いてるんです。現役です。