缶詰であります。缶詰。昨今レトルトカレー製造のハードルが低くなっています。技術と機材は磨き抜かれ、ロットの小さなものでも対応可能になり、いろいろな可能性が広がています。
カレーですよ。
で、缶詰。
クラシックな保存食料品である缶詰は、実はレトルトパウチの兄弟筋、いや、レトルトが缶詰の弟というようなポジションなんであるぞ。
「公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会」ってのがあってだね。缶詰、びん詰、レトルト食品の製造、流通に関わる企業が組織する団体なんであります。要するに缶詰とレトルトパウチは兄弟のようなもので、容器が缶なのかアルミとプラの密閉容器なのかの違いで高温高圧殺菌をするなどの共通点があります。だからこういう団体もレトルトと缶詰をまとめているんだね。
それはさておき福岡の
「キヨトク」
という会社はおもしろいのです。食品の企画製造卸の会社なんですが「博多から半径2kmの美味しさを世界に」というお題目を掲げて地元福岡の美味しいものを全国にという思いで活動をしている会社。有名店だけではなくリアルな博多のおいしいお店の魅力を伝えるべく商品開発に余念がない、というね。一度茶町を訪ねてお邪魔したことがあります。スパイシー丸山さんと一緒にお仕事でおす世話になったかたです。
で、全国のカレーを深く知るものならご存じ、福岡の「ダメや」、「GARAM」のカレーをレトルトとして製造、販売をしているのですよ。どちらも行列店で素晴らしいチョイスだよなあ。ほかにも有名ラーメン店のラーメン、カレー店コラボ鍋つゆ、忘れちゃいけない旨辛のソースコなんてのもあります。これ、クセになる味です。
さてカレーだよ。
「GARAMのカレー マトンキーマ」
缶詰なので湯煎。パカンと缶詰を開ける行為に懐かしさを覚えます。もっと夏開始のは缶切りだな、うん。普通のご家庭ではすっかり使わなくなってると思いますが、あたしんとこなんかはたまに外国、アジアの片隅にある小さな国、町の缶詰なんてのを買ったりもらったりするので未だ現役です。
マトンが挽きではなくたたいてある感じで、粒が大きく食べ応えある食感が好印象。はじめは油の多さに驚くはず。その油、捨てるべからず。そこに旨みがすべて収まっているからね。塩味でキメる渋い調味はマトンの複雑な味わいを殺さずに伝えてきて好ましいものです。強靭さを感じるお肉の主張もいいな。他の副菜と合わせてもまったく負けずにそちらの味をいなして自分の味の世界観に引き込む感じ。個性強いおいしいカレーです。
油を残すのが惜しいんだよ。なので塩胡椒を皿に落としてじゃがいもでなでるんです。ああ、これは旨い。冷めてくると缶詰のクセが出てくる気がするんですが、気になるほどではないかな。
これはいいもの。もうひと缶あるよ。うれしい。