あれだよ、まああれだ。油断をしてたんであるよ、すみませんすみません。なにを油断してたか。町田の「リッチなカレーの店 アサノ」のことであります。
カレーですよ。
思い出深い、あの狭くてガタピシしたノスタルジックな旧店舗の閉店雨に駆け込めて「リッチなカツカレー」を食し、浅野さんのご家族みんなと会えたからね。それで満足して油断して、その後1週間と空けずにオープンとなった新店舗におじゃまができていなかったのですよ。これはいけない。行かねば、行かねば。
それで、たまたま向こう方面ちょいと手前に用事が発生、「バード電子」の斉藤社長のおうちにお邪魔をする機会があったんです。そこから足を伸ばして町田入り。
「リッチなカレーの店 アサノ」
の新店舗にやってきました。
この日は3代目の純平さんとお母さんともうひとりの若者が店を回していました。さすがの人気店で閉店時間間際に来た人も関わらず行列がまだあるなあ。わたしの前に6〜7人というところ。少し待っているとわたしの後ろにも3人ほど。うむ、うむ。
さて、クリーンで明るくなった広々カウンターに腰掛けました。
「ポークカレー + トッピングナス」
としてみたよ。
なぜ「リッチなカツカレー」を頼まなかったのか。定期的にカツなしにしてみるんです。それは、あのカレーソースの鬼気迫る完成度を純粋に確かめたくなるから。カツは結構なキャラクター強さがあるからカツに引っ張られずにカレーソースだけを味わうというタイミングを定期的に作っているというわけ。
なかなか大変なのだけどねえ。うっかり条件反射で「カツカレー!」と気が付かぬうちに注文しているからなあ。以前は浅野さんがわたしの顔をみるなりお喋りが始まって、それが止まらないまま注文をしそびれていると自動的に「リッチなカツカレー」が出てくる、なんてこともあったねえ。そういうのはとても楽しいよねえ。
カレーソース、改めて唯一無二の味であるし、出汁が太く効いたこのスタイルは揺るぎがないことを確認します。ああ、おいしい。旨み深くまろやかで角のないこのカレーソースには二の句がつげない喜びがあるのです。そして「おや、ちょっと濃すぎる、、?」など思うところもちらり。
それはつまりカツが乗っていないから。どうやらあのカツとカレーソースとごはん、三位一体で完成ということなのだと思うのです。うん、そうか、そうだよなあ。ポーク、とろける脂身の旨さと旨みとびだす噛みごたえ。いやたまらん。それとローストした茄子との組み合わせもすごくいいんです。ごま油仕上げなのがグッとくるねえ。うーん、やはりなんだかんだと完成度が高いです。
あの町田仲見世商店街の奥のそのまた奥、ほんとにお店なんかあるのかと首を傾げながらカニ歩きで入っていくあそこ。とてもいとおしい場所でありました。狭いけど大変快適でたしかに「日本一のカツカレー」がそこに存在していて。もうあそこは無くなったけれど、新しいこのお店にはあの路地の店と同じ空気が流れていました。
なんのことはない、わたしが自分でいつも言っていることじゃないか。お店は「ひと」で出来ている。そういうことです。