カレーですよ5566(駒込 ミャンマー風ビリヤニ&アジアンレストラン テテチッ )ダンパウ=ミャンマー風ビリヤニ。

久しぶりにヒロスケさんに会うことになったのです。珍しく岩本町のスタジオで待ち合わせではなく食事をしにいくことになりました。これがどうにもいいお店だったんだよなあ。

 

 

カレーですよ。

 

 

ヒロスケさんはマツコデラックスも絶賛で売れ売れ、テレビなどでも話題の「チェターヒン」を作った男。思いあってミャンマーでビジネスを始めるも今内戦で苦渋の帰国。

その思いをぶつけるかのようにミャンマーの煮込み/カレー、チェッターヒンをレトルトカして販売。毎週数回、ミャンマーの人々と街角に立って募金活動を途切れることなく継続。アウンサンスーチーさんの解放とミャンマーの平和を叫び、2021年の国軍クーデターのすぐ後から支援活動を続けています。

そんなヒロスケさんの作る「チェターヒン」を食べてミャンマーに思いを馳せたり興味を持ったりすることこそ彼の国の平和に間接的に関われる方法だと考えています。

さて、駒込。ずいぶん久しぶりだなあ。15年ほど前にいまはもう無くなってしまった「カトマンドゥカフェ・タール」という大変ハイレベルなネパール料理を出してくれるレストランがありました。ちょいと薄暗い雰囲気のあるお店で小上がりなんかもあった記憶が。マトンカレー、エビカレーがすこぶる旨かったよなあ。お店の入り口にタルチョがはためいていた記憶があります。

それで、この日ヒロスケさんが連れて行ってくださったのが、

 

「ミャンマー風ビリヤニ&アジアンレストラン テテチッ」

 

です。ここ、素晴らしいお店だった。

ビルの奥まった突き当たりにあります。お店に入るとクリーンでモダンな印象。カフェで通る感があります。お店のミャンマーの人たちは穏やかでにこやか、感じがいい。うん、いいね、快適で居心地いいぞ。

なんでも元々はミャンマーコミュニティの中だけでケータリングやデリバリー的なフードサービスをやっていたチームなんだそう。この日も厨房横のテーブルには「ダンパウ」のミールキットが山積みになっていてお店の女性が発送の準備に忙しそうでした。

そこから満を持してのレストランのオープン。お店を開ける前から人気店なわけです。開店して1年ほどだそう。

 

さてその「ダンパウ」という料理。

「ミャンマー式ビリヤニ」など呼ばれることもあるもので、炊き込みごはんとチキンレッグのセットのような見た目です。ミャンマー料理はスパイス使いがマイルドで奥行きの深い味という認識があります。それはつまり日本人の舌にフィットするということ。それを再認識させてくれる大変に美味しいものが出てきたよ。

これがすごいボリュームと美味しさでね、目を剥いたんです。

まずチキンの下味の付け方が実にいいの。ちょっと和風のローストチキンなどを思わせる味で。しかも鶏もも1本丸ごとだぞ。仕上がりは柔らかで骨離れもなかなかいいですね。ちょっとこれはやめられないなあ。ちょっと多いかも、と思った前言、伏して撤回。ペロリとイケるよこれは。ああ、おいしい。

 

 

チキンにたくさんかかっているタマネギ炒めも絶妙の旨味と甘味。うーん、たまらない。ごはんの部分はあまりスパイスを尖らせない食べやすいもので好感が持てます。大変に美味しくて、しかもわたしのようなアジア料理ばかり食べて舌がすれっからしになってしまったような男の感性でまず大変美味しいと感じ、しかもそれがアジア料理に不慣れな人でも好きになって止まらなくなるだろうという予測ができるような、いわば万能味。これはすごいものだぞ。

メニューは当日2種ありました。「チキンバターライス」と「チキンビリヤニ」。このメニュー、実に上手な落とし所でね。早い話しが「ダンパウ」といってしまうと「なんだかわからない」とか「ちょっと頼みづらい」となってしまうよね、詳しくない日本の人だと。そこをうまく言い換えて「ミャンマー風ビリヤニ」で落としてあるのが戦略的でもあり、かつ食べて納得もいくってもんです。それはつまり「ビリヤニ」というものがここ日本でもずいぶんと日常になった、ということ。それを上手に使っているのがセンスいいのです。

ヒロスケさんがいたからだね、マトンのカレー、ヒンかな。お店の方が味見と称して出してくださったんです。これがまた実にうまいの。こちらは濃いめの味付けでマトンの複雑な味わいを残しつつやりすぎていない良いもの。ミャンマー料理というのはいいものだなあ、と改めて思い知ります。日本人の舌にとてもよく合うものだと思うんだよ。

テーブルにはエビのふりかけとマンゴーのピックルがおいてあります。これも混ぜて食べてやるとますますおいしくなるのです。スープはほんのり酸味があって異国情緒感じる味わい。クセというところまで行っていないので飲みやすいですね。なるほどチキンと炊き込みごはんにこの酸味でさっぱりキレ良い後味になるというわけかあ。

手放しで絶賛。それで良いと思うぞ。すごく大きな満足があったもん。

お店の女性とひとしきりおしゃべり。とにかく地方発送が大変らしいんです。人気で手が回らないとか。日本中のミャンマーコミュニティからオーダーがひっきりなしだそう。すげえなあ。それに加えて店頭で買って帰るミャンマーの人も多かったですよ。

なるほど、お寺から出張料理を頼まれたりお祭りのケータリングなど多いのも納得がいくってもんだ。ここは本物のミャンマー料理繁盛店であるよ。

わたしももうすでに別のメニューを食べに駒込へ行きたくてうずうずしているのです。