
何気なく見つけてなんとなく行ってみたんですよ。そういうふんわりした、理由ともつかぬ理由で出かけて行ったレストランで大当たりを引く、なんてのは食べ歩きの醍醐味だと思っています。
カレーですよ。
そういう巡り合わせがやってきました。割と品ポアンに来てるんだけどなあ、気がつかなかったよ。東千葉あたりでのことです。割と日常の場所に、ちょっと規格を越えてくるすごいお店に辿り着きました。お店の名は「ダス ミニスーパー」。5年ほどこの地、東千葉で営業を続けていると聞きました。


広さからするとマーケットがメインなんだろうね。品揃えは界隈ではなかなかのものではないかしら。スリランカ・MD社の瓶詰め、缶詰関係。ボンゴバザールでお馴染みのパドマの冷凍の肉、魚。スパイスと豆が充実しておりアンビカのラベルが見え隠れ。モモの蒸し器も売られていたり。


圧巻は生花の輪飾り。マーラー(インド等)なのかプアンマーライ(タイ等)なのか、これ生花で売られてるのそう多くないと思う。すげえなあ。こういうのが売ってるってことはこの近くにそれなりの規模のコミュニティがあるってことだよね。


そんなマーケットの端に通路のような客席を設けて仕切りで区切ったイートインスペースがあるんです。そこが、
「ダス ビリヤニハウス」
です。狭い廊下のような細長いスペースにテーブルが3つほど。典型的なマーケットからスタートの簡易食堂、キャンティーンですな。が。が。ところが、だよ。
メニューはテーブルに敷かれた透明のビニールテーブルクロスの下にありました。シンプルなもので、ビリヤニとライスアンドカレー、モモを推しています。このお店のメインメニューです。


ビリヤニはチキンとマトンの2種がありました。カレーはライスミールという項目にあったよ。ライス ダル チキンセットとライス ダル マトンセット。これはなんとなくなんだけどこれ、ダールバートなのではないかしか。ほかにネパールディッシュという項目があってトゥクパやモモなどがあります。
「マトンビリヤニ」
を注文。で、大事なのが味なんであるが、いやこれ大変だよ。

まず土鍋っていうのがいいじゃないですか。しかもフタを取ろうとしたら「アッチッチ!」思わず耳たぶつまんで小指を立ててしまう熱々ぶり。正しく土鍋が使われていると確信。本当に食べ終わるまで熱々でサイコーでした。なんとうれしい。

じわっと滋味深い味のビリヤニです。
オレンジ〜黄色〜白のグラデーションタイプではなく均一に茶色いほうのやつ。これが大変な美味しさなんです。まずその炊き上がり仕上がり。口中、舌や口内にふわっとあたるコメの優しい感触にうっとりさせられます。なんだこのふんわり仕上がりスゲーぞ。


油や、米の粘りなどから来る重さがまったく感じられない素晴らしい完成度。ちゃんと美味しく、それでそれ以上に頭ひとつ抜けた味のビリヤニってのはなかなか探すのに苦労するんですが、これはそれだったね。
生のニンジンの千切りが入るのですがこれが極めて効果的に食感と香りのアクセントを作ってくれます。スターアニスやカルダモンがごろりごろりとはいっておりこちらは香りのアクセント。ナッツも贅沢に使ってあります。そしてまたマトンの仕上がりの素晴らしさ。これも米と同じくふわりと仕上がっているんです。舌触り、いいなあ。おいしいなあ。


御多分に洩れずビリヤニですから量は多いです。優に1.5人前を越える量。しかしどうにもおいしくて食べ切ってしまうんだこれが。食後のチャイが、これまた久しぶりにかっちり美味しい、いいやつでね。いいチャイを飲んだなあ、こういうの久しぶりだなあと感激しました。


驚いたのはとにかく値段が安いこと。1200円当たり前のもはや高級店である松屋など行っている場合ではないねこりゃ。サイゼリヤで慎ましく食事をするのと同じか安いかくらいなのであるよ。なにを食べても1000円で必ずおつりが来ます(例外もあるけどその分すごいボリュームだったりセットだったり)。なんということか!しかもカレーのセット、たった200円のエクストラチャージで「Unlimited rice & dal」という表記であるぞ。言葉を失うとはこのことだよ。サービスしすぎ。

お店のキッチンスタッフでしょうか、坊主頭の長身にいさんはちょっとカッコつけててだけど笑顔がいい感じだし、レジのにいさんの笑顔は本当に優しそうで気遣いもあって。お店の場所はちょいとわかりづらかったりするけどそなもんふっとばす実力です。いやしかしよくここで商売できてるなあ、という感じもあるなあ。とはいえ5年続くお店だからね。


大事に通いたお店がみつかったのです。
