
それほど熱心にYouTubeをみる人間ではないんですけどね。動画は見るより作ることが好きだったな。むかしの話し、です。
カレーですよ。
ショート動画が流行りですがあれは本当に時間を食うばかりでちっとも面白くないし身にならないよなあ。かといって自分で動画を作るのはもういいや、というところ。そんななか、わりとしっかりとドキュメント風に撮影編集がなされているメシ動画があったんです。そのサムネイルの場所にどうも見覚えがあるんだよな。どこだったっけ。


あ。なんだ、最寄駅ではないかこれ。都営新宿線の大島駅かこれ。
その角にあったケバブ屋さんがなかなか良かったんですが、続かなかったねえ。それで入ったのが立ち食い蕎麦屋さん。向かい側にあった「ゆで太郎」は少し前に撤退。東秀になっています。


近くに立ち食い蕎麦屋があるのは本当にありがたいのよね。蕎麦屋、ではなく立ち食い蕎麦屋を選びたい時があるから。
「呑食茶屋 福太郎」
という屋号です。いまどき珍しく本気の立ち食いで、正面の間口幅いっぱいのカウンターは背中にすぐ扉、というより営業中はガラス扉は開いたままで営業してらっしゃいます。椅子はありません。立ち食いそばを名乗りるならこうこなくっちゃね。


昨今チェーンは快適性を求めてスツールチェアを置いたりしているようですが、たまにこういうハードコアな店に当たると嬉しくてにやけてしまうぞ。
そしてなかなかに背筋しゃっきりのいい蕎麦が出てきます。難しくせず、しかしきちんと旨い。うんううん、こういうのがいいね。件の動画では店主がそばの仕入れにこだわったといっていました。カレーもいいんだよな。おなじくひねらず、正しく、王道を行くカレーライス。こういうやつで救われる日というのがあるものです。


ちょびっと遊んでみたりします。手元でカレーそば、とかね。カレーに蕎麦つゆとか。でも余計なことをしないほうが美味しいと思う。カレーも蕎麦もどちらもちゃんとしてるから。


横で常連さんかな、店の店員さんと短く小さな会話を交わしています。そういうのが聞こえてくるのが心地いいんです。長話しではなく、長っ尻ではなく、ちょっとの挨拶程度でさらりと食べて出ていく粋なメシ。過不足のないシンプルなメシ。


こういう場所が人の救いになると信じています。
