【コラム】小さい小さいクルマが好き。

ザクには乗ってみたいと思わないんですが(コックピットから地上までの高さが高すぎるよなあ)、スコープドッグには乗ってみたいと思わせるものがあります。降着してなくてもよじ登れるからね。いきなりなんの話なのか(笑)。イングラムも背丈は高いけどコックピットのサイズ感を見るにつけ乗ってみたくなるんです。わたしは凝縮感のあるものが好きなのだと思います。

 

小さいクルマが好きです。いまわたしの手元にある2台のクルマは小さクルマ。メルセデスのA180Sportsとホンダのバモスの初期型。

A180Sportsはプレミアムコンパクトカー、ジャンル分けで言うとCセグメントに分類されます。フォルクスワーゲンゴルフなんかがその代表、ベンチマークとなっています。Cセグメントは欧州のクルマの分類でコンパクトハッチバックとかロワーミディアムに属します。ハッチバックが条件ではないのでアウディA3セダンとかメルセデスのCLAなんかも含まれます。国産車だと日産のリーフやマツダ3なんかがこのクラス。スズキのスイフトがBセグメント、フィアット500はAセグメント、、そっか。コンパクトといえどもメルセデスAクラスはけっして小さくはないよなあ。

バモスは軽自動車。系の中でもバンタイプなので室内はとても開放的で広いです。エンジンはフロントシート後ろの床下にあるからね。広いのに小さくてよくできていて、でもそのよくできていると言うのが質感とか高級感ではなくて道具として、機能としてよくできている、というのがとても好みです。

 

小さいクルマだけではなく、無駄に大きいものが好きではない、というところがあります。ガジェットや家電、機械類の選択はどれもそうあるべきと思っています。ミニマムなものには技術や思想がよく現れていて、そういうところに気がついたり、そのバックボーンやストーリーを知るにつれ強い魅力を感じるんです。

クルマの話しに戻って、安全装備を重ねていくというのは悪いことではないと思うのですが、本来人間が担うべき「肌感覚での安全担保」がどんどん失われていっていることがすごく気になります。とても危険に感じるのです。機械が人間へのフィードバックなしに、ヒヤリとする感覚を抑え込んできており、我々は生き物として大事な部分を削られてきている。それがわりと事実なんじゃないでしょうか。そういうところに強い危機感を感じています。

たしかに路上での平均スピードが上がったり車体が高性能かしたりでそれにおっつけるために安全装備をさらに、というのはわかります。それで、そう言う装備が必要というのはどういうことかというと、人間が持っている認識力や身体能力では捌ききれないところまで来ているということ。それを悪いこととは思いません。そのスピードや性能で世界の発展がある分けですから。

ただ、分けなきゃいけないと思う。そういう高度なものと、ひとが肌感でやり切れる速度帯でのシンプルな機械。分けて考えて、分けて作らないといけない。走る場所なんかの整備も含めてね。それがないのでとにかく自動車やオートバイの価格は天井知らずで上がっているし、でもそれって設計、材料、工数、重量なんかで考えていくと環境負荷がすごく大きいんじゃないかな。そういう部分まで含めて考えて、たとえば電気で動くやつの悪いところをあぶり出したり、軽い軽い車を作り続けるスズキのようなメーカーに恩恵を戻してあげたり、そういうの大事だと思うんです。

個人的には頭の中で、手元でハンドルをこじるとステアリングシャフトがあそこに繋がっててリンクを介してフロントタイヤまでたどりついて、ハンドルが切れるといま30km/hだから内側のタイヤに負荷がかかってサスペンションが沈みつつタイヤが少ししなって、、みたいのを想像できる範囲。そういうのが理想であり限界であると思っています。そういうところに近いのが、例えばシトロエンの2CVとかオリジナルのミニとか、かな。動作しているものが想像できるというのがひとの範囲だと思っているし、そういうものじゃないと手に入らない面白さというものはある、そう思っています。

それで、玄関を出てガレージに行って、思ったところに行って安全に帰って来れるクルマが理想です。それはいまだとジムニーじゃないかな。ランドクルーザーは世界のどこでも生きて帰って来れるクルマを目指したという話を聞いたことがあります。でも日本だと山、狭い道、耐荷重高くない橋、そのサイズを持て余すと思う。小さいクルマがやっぱりいいな。