去年静岡に出掛けた時に偶然出会った素晴らしいスリランカ料理の持ち帰り専門店がある。
なんというか、そのコンセプトや店のパッケージング、ビジネスアイディアが素晴らしかった。
その店は、スリランカのお弁当の専門店。
カレーですよ。
日本人のきれいな女性とスリランカ人のお母さんが二人三脚でやってらっしゃる。本当にびっくりするほど小さな店で、余計なものは一切ない潔さに目を見張った。きちんと美学を持ってやってらっしゃるのがわかる。
一度お邪魔して食べたのだが、本当に見事なパッケージングのアイディア、美しい盛り付け、おいしさと欠けた要素のないすごいもので圧倒された経験が記憶から離れない。そんな、
「七夕工作舎」
が冷凍のカレーの通販を始めた。
マダムの美作さんがわたしのもとに送ってくださって試食とあいなった。
これがやっぱり素晴らしかったのだ。
当たり前ではあるが、あの美しい盛り付けはお店で買うお弁当ならではなわけで、ここは自分で工夫せねばならない。しかしあの美しい盛り付けを知っていると臆してしまう自分がいるのも事実。とにかく食べてみることに。
ダル
ココナッツの香りとモルディブフィッシュのコクがバランスいい穏やかなもの。辛さはほぼ無しで、モルディブフィッシュの香ばしさと豆の香ばしさが舌に馴染むがちゃんと個性も主張する。これをまとめるココナッツの甘味と香りがまた素晴らしい。
モルディブフィッシュや野菜の旨味が舌の根っこにグイッと押し寄せるこの幸せ。
豆のとろみからか、シチュー的な印象もある。インドのダールと比較されるがやはりスリランカのパリップだなあと感じる。これはおいしい。とてもすきな味だ。
ツナ
スリランカ料理であるはずなのにこの和風感。和風の感が強いのだ。魚を使う、ご飯で食べるというわたし達の国との共通事項が二国の舌をを繋ぐ。細かな玉ねぎ微塵が沈んでいてそこから甘みがほのかにやってくるのもうれしい。
辛さ、スパイス感ともきちんと存在感を持ってあるのだが、なおもダシ感、和風感が強い。うれしいのだ、うまいのだ。
感覚としては辛めに仕上げたお魚を使う鍋物のような感がある。これは実際どんなスリランカ料理にもどこかに感じるところで、和風に寄せているのではなく、元々のスリランカ 料理が有するものなのだ。そこも含めてたのしむとおもしろい。
この二つのカレー、混ぜたときのマッチングのよさを強く感じるのだ。なるほど、混ぜ食べる食文化がある国の料理だと納得がいく。カレー、スリランカ料理、などと構えることなく、ただもうおいしいものと気楽に捉えてチャレンジして欲しいもの。いいもの、おいしいものなのだから。
しかしこれが冷凍でうちまで届けてもらえるというこの嬉しさはこたえられない。おいそれと、これからちょっと買いに行くか、とはいかない距離。それを超えて美味しいものが食べたいタイミングで手に入る嬉しさよ。
ちょいとまとめて冷凍庫にストックすると幸せになれるスリランカ のカレーたちだった。
あと2種類を試すのが待ちきれない。