頂き物のレトルトカレーは、クラウドファンディングから生まれたものだった。
いまはその反響からレギュラーとなりECサイトでいつでも買えるようになった。
いつでも買えるようになってよかった。なにしろおいしい。
カレーですよ。
頂き物なのだが、これ、すごく良いものであった。油断をしていた。こんなにおいしくていいものだとは。
冒頭にも書いたとおりで、このレトルトカレーの誕生はちょっと変わっている。今っぽい。
クラウドファンディングで生まれたものなのだ。熊本県産の「乾燥野菜」と「りんどうポーク」を使用したカレー。
「Kumamoto TOMATO-logy PROJECT くまもと産トマトたっぷりキーマカレー」
という。食べて驚いた。
いただきもので、ろくすっぽ説明書を読まずに食べたのだがひとくち食べて目を剥いた。すごくおいしい。
奥行きが深いというか、うまみの広がりがすごかったのだ。
それで驚いて説明書きを読んで出会ったキーワードが「乾燥野菜」。そうか、乾燥野菜か。旨味が増すんだよな。
美味しさがギュッと凝縮されて、ただ乾燥させただけなのにぐっと味の力が強くなる。
品質にはまったく問題ないのに見た目が不揃いだというだけで出荷できなくなった行き場のないトマトに新しい価値を宿してやるプロジェクトから生まれたのだそうだ。なんと価値のあることか。
意外と馴染みがないままの乾燥野菜を気楽に手軽に楽しめるカレーというアイテムに落とし込んだのは本当にいいアイディア。
もともとあった地域産の10種の乾燥野菜を使ったカレーに、さらに先ほどのトマトを入れて旨味と甘み、味わいをアップしたものがこのカレー。
これからますます必要になる「農業を守る」という考え方を体現している。これは心から賛同できる。
袋から皿にあけると挽肉からの油であろうか、綺麗なオレンジの美味しそうな油が真っ先に滴り落ちる。これと香りで期待値が高まる。
トマトのフレッシュ感と挽肉の瑞々しい感じがすごく素直に美味しさを追求しているというか、食べてひと口めに「いいものを食べている」感がやってくるのはすごい。本当にそう感じるのだ。
何しろ説明書きを読まずに食べているから素直な感想なのだ。
旨味やみずみずしさの爆発から少し遅れてほんのり辛さがやってくる。すごいすごい。すごいおいしい。
挽肉はきちんと粒々とした噛みごたえあるよいもの。脂が軽い感じだが風味がいい。肉粒がガリッと立体的で皿に広げるとたくさん入っている感じがして見た目の満足感も高い。食べていて軽やかなのに旨味がすごいのは、乾燥野菜の凝縮された旨味の力から。なんというセンスのいい調味だろうか。これはすごくいいものだ。土の力を感じる野菜の旨みとそれを邪魔しない豚挽肉の軽やかさ。素晴らしい。驚いた。
これ、もちろんカレーなのだがトマトの力と豚挽肉の力が凄いので美味しいミートソースとしての存在感も持っている。スパゲッティにも絶対的にいい。これでもかというくらいよく合うはずだ。
旨味の残り香、とでもいおうか。口の中が旨味で幸せだった記憶をその香りで保管してほんのりと幸せなのだ。
圧倒的にうまかった。
これはすごいレトルトだ。すごいのはこの味で知ったのだが乾燥野菜の力というものと、それをレトルトに活かして、この完成度、というところ。
体験すれば驚くはずだ。