【コラム】カレー・エゴシステム(エコシステム)なぜに15年もカレーのブログを書き続けるのか。

わたしがなぜこんなに毎日カレーのことに関してのブログを書いているか、そんな話しをしようと思う。

わたしとブログとの歴史の話だ。

 

わたしのこのブログ「カレーですよ。」だが、2005年2月に初エントリーを書いている。Yahoo!ブログで執筆を開始したわけだ。

当時はプロバイダ提供のブログサービスがどこもβ版を名乗っていた。まだまだインターネットが牧歌的であった時代のことだ。

以来なんだかんだで多少間があいた時期もあったがひと月程度で復帰したり。結局途切れさせることなく更新は続き、Yahoo!が音をあげてブログサービスから撤退(SNS、コミュニティという部分ではYahoo!はちょいとセンスがなかった、ということだ)した2019年12月まで、淡々とカレーのことを中心にしての執筆、更新が続いた。

 

実はもう時効なので話すが、数年前にYahoo!ブログのパワーブロガーということでピックアップされ、次期Yahoo!ブログのβテスターも引き受けたことがある。一般公募のβテスター受付の随分前のことだ。β版はかなりよいもので、インタビューの時は半分モックアップであったがSNSファースト、スマホファースト、位置情報もかっちりフォローしてありコミュニティ部分にも配慮したなかなか上出来のものだった。あれが実現しなかったのは悔やまれる。そんなサービスも霧散しての2020年。

Yahoo!がアーカイブを残さないと宣言したため、仕方なくすべてを一度FC2ブログに移管(yahoo!推奨の移管先、アメーバ、シーサー、はてなは使わないことにした。どうもどこも相性が悪い。FC2ブログは移管後の再現性が高く、コメントまでそのまま移管が成功したのには感激した。)。アーカイブとは別にnoteに場所を移して更新を継続。

そしてまだ正式のお知らせはみなさんには差し上げてはいないが、来月からは hapi3.net というドメインで完全刷新のフィールドにてブログが続いてゆく。他にもサイトではテキストと写真以外のコンテンツも充実させ、オフラインイベント、プロダクトの開発やコンサルなども投入していく予定だ。

わたしのSNSでブログ更新のニュースを受け取っている諸兄に於かれては、多分新しいわたしのサイトをそっとご覧になっているだろう。

 

そうやってここ1〜2年で大きく動いた環境であるが、テキストと写真でのカレー活動は変わらずで、未だカレーばかりを食べ、ブログを綴っている。

このブログで出会った人々、得たものは本当にかけがえがなく、わたしの人生において何ものにも代えがたい魂のようなものになって今に至っている。

 

話を戻そう。

 

なぜ15年間もカレーのブログを続けているのか。それは本エントリーのタイトル「エゴ」から来ているものだ。なんと言おうか、動機も行動原理も実は単純なのだ。

わたしが大事に思っているカレー店がある。たくさんある。大好きで、おいしくて、未来永劫通おうと決めている。しかし、だ。

そこに注ぎ込めるリソース。時間、資金、体力。えー、おもに資金であるが、そのお店が未曾有の危機にさらされたとする。あの店が危ない。閉店、倒産の危機だ。通おう。たくさん通おう。

しかし。

資金は限られており、気持ちだけは毎週3回、10万円づつお店に落としたいのだが、物理的、体力的、資金的に無理がある。無理なのだ。わたしだけでは。

そこで登場する、ネットスラングで言うところの「おまいら」である。

 

わたしが毎週3回、10万円というのを死力を尽くして通い、突っ込むよりも、その店がいかにおいしく、楽しく、そして行くべき価値があるかをわたしがいつも通りに蕩々とブログに書き綴るのだ。なるべくSNSを全カバーして拡散するのだ。

そうやって「食べてみたいな」の人、つまり読者(「おまいら」)を集める。わたしの瀕死の毎週3回、10万円よりも食欲に駆られた暴れ馬の読者300人が束になってひと皿1000円のカレーを食べに行ってもらうほうが、絶対にいいわけである。

 

これがすべて。これが、わたしが考えていることすべて。行動原理そのものなのだ。

お店を守りたい。自分の大事なお店に長く存続してもらい、おいしいカレーをずっと変わらずに提供し続けてもらいたい。その一念なのだ。

外食のおもしろさ、楽しさ。テーブルにやって来た料理のバックボーンとストーリー。そういう面白いものにたどり着く前の、入り口を案内する水先案内人、それがわたし。

それを私欲を以ってやっているのがわたしなのだ。私欲、なのだ。

 

皆さんは、ぜひ騙されたフリをしてわたしがブログに書くカレー店に足を運んで欲しい。

そして「なんであのおじさんはあんなにブログで手足打ち震わせてここのカレーを語るのか」など想像して欲しいのだ。

そうやって、ニッポンの良いレストランをみんなで守って欲しいのだ。

わたしも変わらずに淡々と続けていくことを、皆さんに約束するので。