FMラジオの収録が岩本町、デジタルキッチンで行われました。
番組とオンエア日時はのちほどお知らせ。
それで、ちょっとおもしろいサプライズを仕掛けたんですよ。
カレーですよ。
ラジオ収録なんですが、本当はスタジオにわたしが出向く予定だったのですが、ご担当から連絡が来ました。
「調理の音が録りたいのですが、デジタルキッチンで収録させてもらってよろしいですか?」
とのこと。もちろん大歓迎。それで「調理を何かお願いしていんですが」と言われたので、いいですよ!と答えました。
わたしが調理をお願いしたのは、、、マロンさん!!超贅沢!
ね、おもしろいでしょ。これを秘密にしておいての当日。
デジタルキッチン にやってきた局のご担当と制作会社の方、それにナビゲイターの横山エリカさんがびっくりしています。
そりゃあそうでしょう。こんなとんでもないサプライズなかなかありません(笑)皆さん大喜びです。
それで、お話しのお題は南インド料理。1時間番組の中の1/3くらいの尺になるはずの収録です。
わたしにオファーを頂いたラジオですが、せっかくこんなチャンスなのでマロンさんにも料理をしながら少しお喋りしてもらっちゃいました。ああ、まったく贅沢だ。
出来上がった料理はマロンスタイルのサンバルとラッサム。これには驚きました。
「南インド料理は意識して作ったことないわよ」とおっしゃっていたマロンさん。ところが驚きのセンスと落とし所を見せつけられる結果になったのです。
マロンさんとわたしで見解の一致を見るところがあるのですが、それが「ちゃんとおいしいもの」だったり「その時、その場所での食材」というところ。
たとえばガチガチのインド料理、手法も材料も考え方も、現地そのままで再現というのがマニアの人には尊ばれる傾向があります。それはそれで興味深く、趣味として面白いものだと思うのですが、食の側面で大きい部分を占めるのは「日常」。普段から楽しく、美味しく食べるというのが根っこにあります。ですから特別な食材や手に入りにくいものをわざわざ探して、というのは趣味になってしまいます。趣味ならまったく問題なにのですが、料理というものは誰かに食べてもらうもの、というところが大きい。日常の中で誰かが、誰もが、食べて美味しく楽しい、はとても大事。
だから、マロンさんはラッサムの酸味付けには梅干しを使い、サンバルの豆にはトゥールダールやらなんやらでなく「近所で買えなかったからこれね」と大豆の水煮のパックを使います。なるほどねえ。大豆をフードプロセッサに放り込み「これはちょっと奥行きとか風味弱いわねえ」とお砂糖をさらりと加えたり。でも、簡単だし材料も皆さんが簡単に手に入れられるので、テンパリングでの仕上げはちゃんとして。緩急自在とはこのことだね。
うーん、自由だし、でも美味しいという場所に持っていくための知識の裏打ちと経験、テクニックがあって、大いに納得させられます。圧倒されるなあ、こういうのは。
納得させられるという話では、もうこれは味。味です。おいしいんです。
すごいな、すごくおいしい。ちゃんと知っているサンバルやラッサムのニュアンスが確実にあって、でもガチガチのインド料理では出て来ない、今その場にいる人たちの舌が美味しいと感じるチューニングがなされているわけですよ。これはすごいことだなあ。
写真は収録が終わってまかないでわたしがいただいたもの。即興でトマトとタマネギのアチャールが!これがまたおいしいんだ。
まかないなので、サンバルですけどチキンを入れてしまいました。これもこれでいいなあ。旨味により立体感が出てきます。
前の日にサンバルパウダーとカレーリーフを用意できたら欲しい、とマロンさんに言われていて、たまたま新宿で仕事だったのでパウダーは大久保で無事入手。
カレーリーフは自宅のベランダにいる小さい鉢植えからもらって行きました。
で、マロンさんは「なかったら無理しないでいいわよ」とおっしゃってくれていました。
想像がつきます。それはなくってもマロンさんはそれふうに、美味しく仕上げちゃうんだろうなあ。
いろいろとすごく勉強になる楽しい半日となりました。
オンエア情報、お待ちくださいませ。
5月2週目の週末夕方に放送予定です。