しばらく前から錦糸町はバングラディシュの町。
リトルダッカかチッタゴンか、という様相です。
カレーですよ。
興味深い話があります。
遡ること数十年。1980年代半ばのころ。
テレフォンカードとイランから来た人たちの話があったのを覚えていますか?あのときはビザ免除協定があったパキスタンやバングラデシュの人たちが先に大勢日本にやってきて、そのあとにイランの人も来て例のテレホンカードの仕事をやったりといろいろありました。90年の入管法改正のこともあったり、そういうタイミングで就職斡旋先付きできた人や、パキスタンやバングラの人でレストランとか親戚、ネットワークがあって来日していたから大丈夫でしたが、それがないイランの人はテレフォンカード関係とかに流れてしまった人もいたようです。
難しい問題がたくさんあって、その果てにビザ免除協定の中止と強制送還などがあって。
そういう80年代から90年代の移民の人の混沌の中で、パキスタンやバングラの人は中古車販売や建築などの仕事で手堅く稼ぎ、正規の商売で成功する人もいて。レストラン業や接客業なんかでうまくやる人も出てきました。そんな成功した人がビジネスを広げて、おんなのこたちは日本人なんだけど店の経営はバングラデシュの人、みたいな水商売の店がぽつぽつと錦糸町や上野に増えてきました。
それで、そういうのが増えればコミュニティの核となる、クラブハウス的なレストランが自然発生的に出来たりします。そういうのは他の地域でも色々みてきました。たとえば埼玉八潮はパキスタンの中古自動車輸出のコミュニティからだったはずです。
そんな錦糸町、ここ5年ほどでバングラデシュのレストランが増えました。風俗店の呼び込みのにいさんたちもバングラの人が多くて、ちょっと不思議な空気になっています。にいさんたちにつかまっても「バングラのレストランにごはん食べいくんだよ」というとニコニコしてくれます。
今日はお弁当。
「バングラフード錦糸町」
は界隈では新しめの店ですが、ガラス張りで入りやすい。
以前はタイ料理屋さんでした。あそこもおいしかったよなあ。
店頭のポスターを見ると、お弁当が500円!!これダメだ。もっと値上げして。今日は500円で買いますけど。
中途半端な時間で、お客さんがひとりしかいなかった。なので食べていてもいいかなあ、とも思ったんですけどね。きょうはおうちで、と決めてたので。
注文は、
「ビリヤニセット」
サラダとラッシーがついて500円は、そりゃあダメですよ。ちゃんとまた今度お金落としに来よう。
それで、持って帰って開けてみたら、ラッシーの代わりにマトンカレーが入ってた。ええ?!
もうね、ラッシーよっかいいじゃないね。どうなってるんだろう。びっくりした。
で、どれもおいしい。きっちりおいしいです。
ちょいとワイルドな香りがまたいい。ビリヤニ自体にはそれほど強い味付けをしていないのもいいですね。これをマトンの汁で食べるので。
これはずいぶんいいなあ。
「バングラフード錦糸町」はなんと24時間営業。場所柄、な感じですねえ。
近隣の古株の「アジアカレーハウス」も20時くらいから27時とかまで営業していたものね。
今はどうなんだろう。どうなってるのかな。
また用事ができたらちょっと寄ってお弁当を買おう。