後藤さんの秘密基地、「SPICE VILLAGE TOKYO L.A.B.O」に何度か遊びにお邪魔しておりました。
いろいろと楽しかったり良いお話が聞けたり、素敵な人に出会えたり。そのご縁で連載の取材が叶ったり。いいことばかり。
カレーですよ。
それで、その時に賄いだよ、と言って気前よく出してくれた後藤さんのすごいカレー、ララマトン。これちょっと凄かったんだよね。
それで、ちょっとそこで食べるだけでは我慢できずに買って帰りました。
冷凍で、ECサイトで販売されているやつです。その名も後藤さんの自信作、
「冷凍ララマトンカレー」
ネット通販でも手に入るってのは全国のカレー好きに対してに平等でよいことです。とてもよい。
https://spice-village.stores.jp
インド料理通でも聞き覚え薄いであろう、ララマトンという名前の料理。
インド・パンジャービー地方の料理で、挽肉と塊肉の両方が入るというスタイルのいわゆるカレーのことです。
後藤さんのララマトン、これがさ、大変に旨いんだよ。初めて食べた時に恥ずかしながら思わず声出ちゃったもの。
マトンは肉の中でもその味わいの複雑さが強い種類のものです。それはつまりその肉の特性を知らなければ難しい味にもなり得るものであるということ。なのでそんな難しさをいなし、この仕上がりこの味にもってきた技術は本当に大したものなんだよ。
普通の人が「クセ」と決めて敬遠する部分を後藤さんは「複雑なおいしさ」に昇華させています。
塊肉の部分が特別旨いんだよねえ。わざわざの別調理。舌触りが官能的な脂身、いやもうこれには戦慄が走りました。
食べ進めると、温度の変化や他の味との組み合わせでふと野生の強い香りが急に現れ、てハッとさせられるのがまた面白い。
そしてそれをうまく抑え込みあの味に固定しているのか、という驚きがより鮮明になります。
なんだか凄いもの食べちゃったなあ、という感が残ります。
おいしいだけではない感銘を受けたひと皿でした。
こんな凄いの、おうちにいながらにして注文できちゃうのがありがたい。
ありがたいというのを通り越して尊い。凄い時代になりました。
20年前、こういうジャンルの料理はもう本当に未知の領域で、どんな味とかいうレベルの前段階で、それって何?でもどこにもなくて食べられないよね、みたいな感じでした。
面白い時代になったなあ。あのひとやあの人なんかがずっと努力して、世の中の流れも加わってこういう時代になったんだろうなあ。