お出かけをしていて木更津あたりで夕食の時間となりました。界隈に知っているカレーやさんじゃないカレー店はないかな。初めての店に行きたいな。専門店じゃなくてもいいな。むしろ専門店じゃないやつが食べたいな。
カレーですよ。
いろいろ探してみたのですが、お店、というよりもそのメニューの名前でちょっと行ってみたくなった店とかあったりすることあるよね。
そんなメニューがあったお店の名前は、
「れすとらん さぼーる」
神田神保町のあそこは「さぼうる」なので、違うお店。そして気になっているメニューの名前は「カルカッタ」。
おやおや、カルカッタときたか。一体なんだろう。「れすとらん さぼーる」どんな店だろう。気になったら行くに限る。行ってみましょう。
辿り着いたのは千葉木更津の高柳。
まわりに何があるわけではない、片側1車線県道沿い。暗くて街灯の少ないロードサイドに大きなガラス窓2つから光が溢れる、さっぱりした外観のレストランがありました。小さな看板は照明を当ててあるけれど、知らなければ気づかずに通り過ぎてしまうかもしれないな。
店に入ると結構な広さです。40人オーバーのキャンパシティを持つホール。立派なお店だったんです。
広くて開放的で居心地がいいねえ。
さて、ホールのお嬢さんが持って来てくれたメニュー。件の気になるメニューも載っていました。
メニューの説明を読むとカルカッタとは、どうやらドライカレーのカレーがけというものらしい。メニューにはカレーライスとドライカレーのメニューが別々にあるんですが、これを組み合わせたのがカルカッタ。いくつかバリエーションもあるようです。よし、じゃあそのなかから、
「ハンバーグのせカルカッタ」
をお願いします。
他にもポークカツ、チキンカツ、エビフライなどが乗ったカルカッタもあるみたい。
店内を見回しながらカレーを待ちます。おかしな装飾や無理やり豪華にしたりという都市部から少し離れた郊外のお店にありがちな趣味の悪いことはしておらず、むしろシックと言えるような店内でとても快適。ご店主のセンスがいいのだろうねえ。照明も落とし気味で落ち着いていて全体的にセンスがいいんです。
ここは近隣の住民たちが普段使いするちょっと気の利いた大事なお店、という感があって好感が持てます。
さて、カレーだよ。
まずはその結構な量に驚かされます。
ワイルドな外観で、ドライカレー、ハンバーグ、カレーソースの順に皿の上に盛り付けられていました。赤い福神漬けが良いアクセントになっていて目をひきます。
まず、ハンバーグ。
ムッチリと肉が詰まった感じのクラシックな洋食店のハンバーグという風情。懐かしい感じに嬉しさがこみ上げます。量と食べ応えも十分のもの。ああ、いいじゃないこれ。
ドライカレー。
これはドライカレー、カレーピラフというよりも卵が入っているようなのでカレーチャーハンと言いたくなる感じ。優しく懐かしい味わいで強い主張がないことがバランスに寄与していますね。ドライカレーの単品で出すときも塩加減とかおなじなのかなか?そっちも食べて確かめてみたい。
カレーソース。
このカレーソースは欧風の範囲にあるのではないかしら。洋食店のカレーライスらしさがある、というだけで片付けるには忍びない、ちゃんと手のかかった良いカレーです。「普通」で片付けてしまう人もいそうな中、きちんと味わえば奥行きが感じられたりドッシリした味わいだったりがわかる良いものでした。
出色は味噌汁。
これはよかったなあ。もやし、大根、インゲン、ナス、揚げがよく味を吸い込んで濃く、深く、大変な美味しさ。
思わずカレーで締めずに味噌汁で締めたんですよこのあたしが。それくらい魅力的。カレーに味噌汁論争も根深いものがあるんですけどこんな旨い味噌汁なら誰でも歓迎するだろうなあ。
最寄りのJR内房線巌根駅まで15分も歩く場所にあるんですが大方の人がクルマで来るのではなかろうかね。駐車場はかなり広いです。ざっと20台は停められそう。
かわいらしいお嬢さんと気遣いあるお母さんがホールを仕切っていたのも嬉しかった。
カレーもハンバーグも味噌汁も盛りがよく、もてなしてくださっている心意気が伝わってきます。
デカ盛りデカ盛りとそういう言い方をする御仁も多い昨今ではありますが、そこだけで語るのはよろしくない。
ここの料理もそうですが、盛りのいいお店と言うのは心意気なんだよね。気持ちなんだよ。わざわざここまで来てくれたんだから、たくさん食べて欲しい。お腹一杯になって帰って欲しい。足りなくないかい?大丈夫?そういう想いの上に立っての盛りの良さなのです。その気持ちを汲み取るべき。
大盛りにすることを面白いとしてやっていらっしゃるお店もありましょうが、その根底にはもてなしがあります。
ただ大盛りのものが出て来ているのではないんだよね。
あなたもわたしももてなされているのです。もてなされたら感謝を返さねばね。