高崎とくればスパゲッティ。知ってました?わたしもしばらく前に知りました。
なんでも市内にイタリアンレストランがすごくたくさんあって、スパゲッティ推しで、しかもみんな大盛りなんだとか。
カレーですよ。
いやいや、違うじゃないの。イタリアンだし、スパゲッティだし。しかもカレースパゲッティはメニューになかったし。
でもカレーですよ。カウントにどうしても入れたかった名物メニューがありました。
スパゲッティシティ・タカサキで向かうならやはり、
「シャンゴ」
です。今回は本店へ行くこととなりました。
群馬県高崎市。なぜかイタリアンレストランがものすごく多い。群馬にあるイタリアンレストランは300店以上にのぼり、その中でもその半数以上が高崎に集中しているそうです。独自進化もあるようで。なるほどねえ。
そして今日食事をすることにした「シャンゴ」こそが高崎パスタ王国の祖を成した店だと聞きました。50数年前にここ高崎に開業してスパゲッティを大盛りにした張本人。まったく素晴らしい。
わたしは常々思っているんですが「大盛りとはもてなし」ということ。せっかくきてくれたんだから腹いっぱいにして帰さないといかん。そういうコックさんやお店の想いが盛りの良さにつながるのだと考えています。アジアの料理などもそういうところが強いと感じます。日本でも世界でも、田舎に行くとその傾向は顕著と感じます。
ホール担当の女性がキビキビと小気味よく、細やかな目くばせで唸らされます。ホールリーダに違いない。カッコいいねえ。
注文は、前回夏のフェアでついつい期間限定のカレー味を選んで食べられなかった、本命の、
「シャンゴ風スパゲッティ」
頼みました。
ね、これ。やってきたこれ。これはカツカレーではないのだよ。カツカレースパゲッティでもないんだよ。シャンゴ風なのですよ。
そして高崎とくればスパゲッティ大盛りなんであるよ。シャンゴいろいろサイコーだなあ。
まずね、そのボリューム。すごいんですよ、驚かされます。この写真でMサイズ。このお店のスタンダードです。
定番メニューで実にパスタ200gの大ボリューム。いや、違うよ。乾麺の状態での200グラムだかんね。なめたらいかん。その上にソースとカツが乗るわけです。高崎の人々はこれを事も無げに平らげるわけです。どうなってんだ。魚眼で撮った写真、そうなんだけど、こういう風に見えるんだよ、わたしの目には。
独特の甘さと苦味とコクの奥行きを持つミートソースがかかっています。これはなかなか変わったミートソースだとかんじます。いや、ミートソースではなくデミグラスソースの個性化、進化系というべきかしら。甘さに隠れてスパイスが若干浮かび上がるのが面白いんですよ。黒い色は焙煎の深さからくる色でしょうか。
そしてカツを食べてあっと驚いたのよ。
これは、この味は、味噌カツだ。そうだろ、あれ思い出すもん。少し苦味が残る濃厚な甘いソースはちょっと名古屋の八丁味噌とかぶる印象があって驚きました。名古屋のアレと符合する不思議体験。うむうむ、もういっかいちゃんと確かめたいけどそういう印象です。おもしろい。すごくおもしろい。
カツはちゃんと薄めの肉と薄く細かい衣で構成されており、きちんとカットレットとして作られているのが素晴らしいのです。これこそ王道。洋食や西洋料理の正しい姿。そして正しくカツカレーに乗るべきカットレットなわけです。
なんでもこの「シャンゴ風スパゲッティ」はシャンゴの先代が昔扱っていたメニューのカレーライスからヒントを得て、スパゲッティでカツカレーのスタイルを踏襲してできたものなのだとか。さもありなん、ですね。だからビジュアルにこんなにカツカレー感があるのかあ。
食べ終わると口の中でシナモンの残り香がシャンゴ風を食べたことを主張してきます。この感じもいいねえ。
サラダもしっかりしたものが出てきますしセットで頼んだ紅茶はポットサービス。なかなかやるなあ。
すごいお腹いっぱいだし色々充実しているのでお得感もたっぷりでした。
ホールも天井が高くて快適で、シャキシャキとホールを回すおねえさんが気持ちよくていい気分でした。
好き嫌いが分かれるかもしれないんですけどとても面白いスパゲッティです。
そのバックボーンや高崎の地域性を考えるととともに食べるといろいろ見えてくるものがあるとおもいます。