36チャンバーズオブスパイスのマレーシア料理のレトルト、でましたね。
こういうのが第一弾、第二弾と続く面白い世界になったよねえ。まったくこんな未来が来るとは思っていなかったです。
カレーですよ。
荻窪、青梅街道の荻窪駅手前の跨線橋のたもと。坂道の途中にマレーシアのレストラン、いや、マレーシアンスナックかね、あそこは。そう呼ぶにふさわしいんですけどね、家庭的でこじんまりと快適な店があります。
その名前を、
「馬来風光美食」(まーらいふうこうびしょく)
といいます。
オーナーシェフである、いや、このいいかたもニュアンスが違ってくるかもしれないな。ママ、だと思う。ママでいいと思います。そのママであるエレンさんが店を仕切る。とてもチャーミングなひとで料理も、可愛らしい笑顔と振る舞いも、どちらも魅力的。そんな彼女の監修で出来上がったこれ。36チャンバーズ・オブ・スパイス謹製。
「ビーフルンダン」
おどろいた、これ、旨いな。
36チャンバーズ・オブ・スパイスは新進気鋭のアジアエスニックの加工食品の企画開発の会社。ご存知一条もんこさんの「あしたのカレー」や渡辺玲先生監修のナッツミックス「ボンベイトレイルミックス」、アキノ・リーさん監修の功夫咖喱(チャイニーズキーマカリー)などとにかく面白い企画が目白押しで、しかもハズレがないという実力派の会社。そこがエレンさんのマレーシア料理に着目して出来上がった牛肉にココナッツ煮込み。これ、上出来なのです。
カルダモンの軽やかな香りとスターアニスのオリエンタルな香りが不思議なマッチングを見せる、この料理。生姜からたっぷりとやってくる刺激が体を温めてくれます。ビーフのかみごたえも印象的で、噛んでいけば出涸らしではなくきちんと強く感じられる旨みを持ったいいお肉であることがわかってしまうのです。とろんとした脂身まできちんとおいしくて、これには驚かされました。いやいやこれはなんとも。これはなかなか。これは大したものだよねえ。
おかしな言い方かもしれないんですが、ちゃんとマレーシアの料理として成り立っていると感じます。
かと言って難しいクセがあるわけではないので、ちょっと変わったカレーだよ、と言ってカレーライス体験しかない人にも食べてもらえる懐の深さも併せ持つ良いものです。
シリーズでチキンのルンダンやマレーシアバクテーのレトルト、自分で作るバクテーの素なんかも出ています。みんなエレンさんが監修しているもので、なんか嬉しくなる。
うーん、またいいものが荻窪、それと幡ヶ谷からやってきたなあ。
エレンさんにも久しぶりに会いに行きたいな。