ちょいと立ち寄った道の駅でカレーに出会います。しかもこれはインドカレーか。そんな時代になったのだねえ。
カレーですよ。
以前、高速道路のSAのレストランにタンドールが実践投入されているのを見たことがありました。たしかブログにも書いたなあ。ずいぶん前のことです。そしていまでは道の駅でインド料理のお弁当が販売されているという世界にたどり着いたんです。おもしろいねえ。
見かけたのは千葉。長生郡長柄の片側1車線の細い街道沿いにある
「道の駅ながら」
広さはそれなりにある施設ですが、道の駅としての規模は小さいかな。道の駅の看板を掲げるのに基準というものがあるそうなのですが、その基準を満たす設備はいい意味でミニマムにおさえられます。地域の農作物を販売する施設を転用して道の駅の基準を満たすための設備を足してやったという風情で、それが潔く見えて、ここ、わたしは好きなんですよ。
弁当、惣菜のコーナーを眺めるともなく眺めると、いなり寿司、おこわ、太巻や串の団子に混じってインド料理が展開されているのに気がつきました。おお、なんだ、すごいなあ。
チキンキーマカレーとナーンのセット。バターチキンカレーと同じくセット。ナーン単体も売っていますねえ。こういう場所に急に透明ビニールに入ったナーンがどーんと置いてあるのはすごい光景だなあ。ちょっとした衝撃を感じます。
カットされている方のナーンはチーズ入り。うむ、チーズナーンですな。ごはんのパックは、これはあれか、ビリヤニか。いやあ、たいしたラインナップです。陳列棚のPOPを見ると
「ナンハウス古市場店」
とありました。市原にあるインド料理店のようですね。
平日の夕方の遅い時間。値引きのシールを貼られた天ぷらとおこわを老人がまとめていくつも買ってゆきます。そのなかでインド料理たちがさみしそうに取り残されていました。こりゃあいけない。やはりこれはもう、ね。救いの手を差し伸べることにしましょうね。
カレーの名前があるものは、まだ救いがあるかな、と考え、購入したのは
「チーズナン」+「チキンビリヤニ」
です。
実はそれほどお腹は減っていなかったんです。なので、持ち帰って食べることにしました。
どちらもなかなかいいものだったのよ。
チーズナンは、まあ、なんというかみなさんの想像通り、何をやっても美味いわけですよ。温めが大事で肝となります。トースター+アルミホイルが最適ですね。蜂蜜、奮発して秘蔵の野生黒蜂蜜(これも千葉、検見川のシタールのもの)を加えてやると素晴らしく美味しい。ああ、いいねえ。チーズと蜂蜜というのはなかなかこう、抵抗し難い魔力を秘めているよねえ。
ビリヤニがね、これが想像以上に良かったんです。チキンは肉の筋がきれいにばらけておりやわらかく、風味も上々。おいしいなあ。ビリヤニ自体の味も辛すぎず、香り豊かで上質と言えるものだったです。
うーん、こんなお味のものがこの値段、しかも値下げされて千葉の山の中で売られているんだよ。なんということだ。地域の人たち、高齢者が多いと思うんですが、どんな感じで受け入れているんだろう。どんな客層が買い求めているのか、気になるところです。
そしてこのパターン、千葉県内で何箇所か見かけます。道の駅でインドカレーというパターンのことです。これ、多分インドやネパールの人たちのネットワークで話が出て「うちも地元の道の駅に売り込みに行くかな」とか現在出店している人たちからノウハウをもらってとか、そういう形で伝播しているんじゃないかなあと想像しています。そういう広がり方、するんだよね、アジアの人のコミュニティにおいては。
しかしブログを書き始めた15年前にはこんな世界がやってくるとは思ってもいなかったなあ。感慨深いです。