栃木県小山市はパキスタンの人々、それはつまり多くの人がムスリムであることと同意になるわけですが、そんな人たちがたくさん住んでいます。そういうような話しを前にもしましたよね。
カレーですよ。
ムスリムコミュニティが多く存在する栃木県小山市あたり。ハラールレストラン選び放題というわけです。インドのレストラン料理とはまたちょっと違うニュアンスの、スパイスを多用するパキスタンスタイルの料理が食べられるのは大変楽しいです。
この日出掛けてみたのが
「ラホーリー カーバー ハラールレストラン」
というおみせ。
こういう事例はここらへんのロードサイドで多く見かけるんですが、ここにもハラールマーケットが併設されていました。食事場所であり、社交場でもあり、マーケットでもあるのです。
そして同じくそんなよくある事例、店の人は日本語ができないこと、よくあります。
お互い片言英語でコミュニケーションを取る場合もあれば、店に来ている気のいい同国の日本語を解するお客さんが橋渡しをしてくれる場合なんてこともあります。今回は後者でありました。
ホワイトボードにたくさん書かれたトゥデイズメニュー。バーベキュー料理とその他に分かれています。バーベキュー料理は言わずと知れたタンドール調理のものでしょうね。わたしはもう一つのほうのメニューが気になります。
チキンビリヤニ、ハリーム、ブローチカラヒにゴビゴーシュト、マトンパヤ。ああ、どれも頼んでみたいなあ。そういいながらこの日はあまり吟味せずに「フィッシュ」とだけ伝えました。出てきたものが、これ。
「ラホーリーフィッシュ」
です。
あれ、タンドール料理かな。いや、フライか。
フィッシュパコラという風情ですね。後で調べたらラホールの名物ストリートフードのようで、それなりに古くからあるもののようでした。ものとしては今でもラホールの街で売られているサクサクの魚の揚げ物で、それがパキスタン全土に広がっています。原初のものは「ベサン」など豆の粉を使用していなかったらしいんですが、今ではベサンをつかったいわゆるバッター液に浸けて揚げているそうです。卵を使う、使わないなども変遷があったみたいです。サクサクしたクランチ食感を作るためにパン粉を使用したりいろいろな工夫があって今に至る、という感じでしょうか。
わたしがそれを注文すると、ホール担当氏は他には?と聞いてきます。うむ、そうか。これだけ食べる人はいないよ、というニュアンスなんじゃないかな、ホール担当氏のこの顔。一瞬考えましたけどするりと口をついたのが「チャパーティー」という答え。すると大変満足そうな笑顔でホール担当氏、厨房に消えていきます。ふう、どううやらわたしの注文方法はパキスタンの人々の一般的な注文と同じだったみたいだね。こう言うのでヒヤヒヤしたりするのは異国のレストランでのお楽しみの一つです。
本国ではログニナーンという山のように膨らむのではないタイプ、ポツポツよ空気を逃す穴があいたフラットな仕上がりの円形の発酵パンと合わせることも多いよう。
やってきたラホーリーフィッシュは結構なボリュームで魚のフィレーをまるごと一枚分使用している様子。身の色と油から鯖なのではないかと推測しました。魚の下味はほとんどつけてないようで、バッターの味で食べるスタイルかな、これは。フライの衣は結構な厚み、豆の香ばしさやスパイスの香りがあがる異国情緒を掻き立てる料理です。
正直そんなに物凄く美味いとかそういうものではないですけど、パンと合わせるとこれがなかなか良い感じ。いかにもストリートフードという感が出ます。
野菜も一緒にチャパーティと挟んで食べるといいね。ミントやコリアンダーかな、爽やかさ感じる酸っぱいチャトニをたっぷりつけてやるとなんとも具合がいいですね。
イメージですが、レストランとか高級ハンバーガーショップなんかでハンバーガーを頼むとオープンスタイルで皿に乗ってやってくるじゃないですか。あれ的な印象を受けました。
カレー的な汁物を欲している人にはちょっと物足りないかもしれないね。量的にはわたしはこの組み合わせで精一杯。十分な量のランチとなりました。チャパーティーは多かったので1枚持ち帰ったよ。小さなスープを一つ、頼めばよかったな。
帰り際にあの気のいいパキスタンのおじさんが「おいしい?どうだった?」と聞くので「うまかったよ、日本人は魚が好きだからこう言う料理はいいね」と答えると、すかさずホール氏にも伝えてくれて、二人の笑顔をもらって店を出ることになりましたた。
こういう外国旅行のようなコミュニケーションが楽しいよね。パスポート持たずとも、の楽しい時間になりました。