たしか、「洋食膳 海カレー TAKEUCHI 神保町本店」の竹内シェフから聞いたのだったかな。おもしろい合作カレーを1日限定でやるというお話しを聞きつけたんです。
それで、これは必ず行かねばと思っていました。
カレーですよ。
いやだって。なにしろそのお店のラインナップが面白いんです。どうしてこうなった?の「お茶の水、大勝軒」「カリー&ワヰン ビストロべっぴん舎」「洋食膳 海カレー TAKEUCHI 神保町本店」。なかなかこんな興味深い共同イベントはないはずです。他の地域では考えられない。はずすわけにはいかないわけです。
月曜日はカレーが静かな月曜日です。外食カレーの好きな人はだいたい体感的に知っているはず。カレー店はなぜか月曜店休のお店が多いんですよ。それもあって月曜日は取材に出ない執筆日としていることが多いわたしです。
そんな月曜日をうまく使って先程の神田神保町を代表するといってもいい3店のコラボレーションが実現。なるほど月曜日か。
いや、ちょっと待て、そこじゃない!という方もいるでしょう。「お茶の水、大勝軒」が混じっているじゃない。ラーメン店が入っているじゃない。なんで?
疑問はごもっとも。しかし、日本でも有数のカレー激戦の神田神保町界隈、その場所で毎年開催される「神田カレーグランプリ」でお茶の水、大勝軒がグランプリを取ったのはご存知かな。故山岸一雄マスターのレシピから完成した「復刻版カレー中華」とグランプリを勝ち取った「復刻版カレーライス」を知らねばラーメン通としては知識不足と言わざるを得ません。当然どころではなくこのコラボレーションに参加する資格、十分以上のものを持っています。
さて、まだまだ町がランチタイムに入る前、落ち着いている時間帯の11時半にお店に着きました。とはいえもう食べ始めているお客さんもいるねえ。早速お店に入ります。メニューは店頭にのみ置かれておりその一つだけ。辛さを聞いてくださったので中辛程度とお願いをしました。
「大勝軒 x Takeuchi x べっぴん舎 夢のコラボカレー」
まったく夢のようなひと皿だなあ。
そのお皿を見ればなるほどみるだけでも各店の要素があるのがわかるんです。これは楽しいなあ。
さすが、「Takeuchi」の血が入るとエディブルフラワーと野菜で華やかになりますねえ。かわいい各店の旗がたっているのもうれしくなります。
さて、カレー。
べっぴん舎の赤カリーは永遠。そう思っています。食べても食べてもまだ食べたい。ずっと食べていたい、赤のべっぴん薬膳カリーはそういう味。なんと今回そこにお茶の水、大勝軒のあのラーメンスープが加えられているんですよ。こんなことしちゃっていいのか田内川さん!(笑)と動揺します。
とにかくおいしい。無限に食べたくなる赤カリーに穏やかさとどっしり感が加わります。しかし赤カリーの良さである軽やかさはなんら変わらない。え、なんで?なにこの魔法のようなバランスは。
さて、ハンバーグ。ああ〜うまい。うまいに決まってるんだよ。なにしろ竹内さんの評判高いあのハンバーグなのだから。目の細かい挽きと舌を撫でる食感。竹内さんのハンバーグの底力、思い知ります。ソースかからないでこんなにおいしいハンバーグはなかなかないよね。カレーに合わせてもとても馴染みが良くて、しかし単体で白ごはんと食べたくなる抗い難い魅力も兼ね備えています。
ここに大勝軒のチャーシューが乗っちゃうのがまた面白い。ネギもしっかり乗っていて揺るがぬラーメン魂が垣間見えるわけです。ここだけ突出してラーメンの世界観があるのが面白いなあ。なのに違和感というものは感じないんです。玉ねぎの甘酢漬けが合わさるのも面白いし。これが多分つなぎとなってカレーにコネクトしているのだとわかります。ああ、色々と舌と脳みそに刺激をもらえるねえ。
赤のべっぴん薬膳カリーとハンバーグの組み合わせがものすごい破壊力でした。こういう世界もあるかあ、と、ただもうよだれがたれるのを止められなかったよ。味玉と赤カリーとの組み合わせもこれまた絶品。
並びも出始めたり12時少しまわったところでそっと帰ろうとしたんですが、田内川さんにつかまってしまいました(笑)うれしいです(笑)。
少しおしゃべりして感想をお伝えできたのが何より嬉しかったです。他の2人のシェフにもご挨拶ができました。うん、とても満足。
嘘偽りなく思ったことを書きますけど、あと30分したらもう一回食べに行くか、と本気で思った。いやほんとに。
これを食べてしまったからには改めてもう一度、各店をまわらねばと強く思います。